奈良尾のあこう樹 (国天然記念物)
(ならおのあこうじゅ)根が二股に分かれ、両足で地面に踏ん張るような姿をしています。神社へ続く参道をまたぐようにそびえ立ち、まるで天然の鳥居のようです。樹齢670年を超えるアコウ樹の下をくぐると長生きできると伝えられており、上五島の神秘的なスポットとなっています。高さ25m、幹周り13.9mという日本一の大きさを誇り、1961年4月27日に国の天然記念物に指定されました。
奈良尾の歴史は16世紀末から始まり、和歌山県の漁師たちが定住したことで発展しました。特に漁業が盛んで、昭和36年には漁獲高が30億円を超えるほどでした。漁師たちは奈良尾神社のアコウ樹の前で豊漁と安全を祈願していたそうです。アコウはクワ科イチジク属の常緑高木で、支持根や呼吸根を伸ばすのが特徴です。面白いことに、毎年5月頃に一週間ですべての葉を落とし、その後新芽が一斉に生えてきます。奈良尾のあこう樹は、自然の不思議さと地域の歴史を今に伝える大切な存在です。

Data 基本情報
住所 | 〒853-3101 長崎県南松浦郡新上五島町奈良尾郷 |
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