グルメも文化も独自路線。「国境の島」対馬の魅力に迫る!-1

グルメも文化も独自路線。「国境の島」対馬の魅力に迫る!

九州と朝鮮半島の真ん中に浮かぶ「国境の島」対馬。原生林や美しいリアス式海岸など豊かな自然に囲まれた島は、トレッキングやシーカヤックなどが人気アクティビティとして盛んに行われています。古代から大陸間の中継地点として重要な役割を果たしてきたこの島の歴史遺産や民俗資料は「国境の島 壱岐・対馬・五島~古代からの架け橋~」として日本遺産に認定。歴史・文化・自然・体験アクティビティと、対馬に来るなら絶対に知っておきたい魅力を一挙ご紹介いたします!

何もかも独特!対馬の自然はここがすごい!

九州最北端の島である対馬は韓国の釜山まで49.5km。気象条件が良ければ釜山の街並みが見える「国境の島」です。南北に約82km、東西に約18kmの対馬は沖縄の3分の1ほどの大きさで、レンタカーでの移動が便利。森林が島の面積の89%を占め、太古からの原生林が残る島内には、ツシマヤマネコ、対州馬(たいしゅうば)、アキマドボタルなど日本では対馬でしか見られない固有な生き物からなる独特な生態系が築かれています。バードウォッチャーには「渡り鳥の十字路」として非常に人気で、なんと日本国内で見ることのできる鳥の半数以上を対馬で見ることができるというのだから驚き。近年では豊かな自然を満喫できるシーカヤックツアーや透明度の高い海を楽しめるダイビングが大人気!中でも一番人気は手つかずの原生林と対馬のシンボル「白嶽(しらたけ)」や、古代山城「金田城(かなたのき)」を回るトレッキング。雄大な自然を、好奇心の赴くままに巡りましょう。

福岡から約30分!アクセスしやすい対馬へ、Let's GO!

遠いようで実は近い、対馬。空路では長崎空港、福岡空港からアクセス可能で、どちらも毎日4便ほど出ているため旅行の計画を立てやすいのが嬉しいポイント。島の中部にある対馬空港へ、長崎空港からは約35分、福岡空港からは約30分という驚きの早さで到着します。のんびりとした船旅を楽しみたい方には、博多港から出発する定期便がオススメ。南東部の厳原港へは高速船で約2時間15分、フェリーで約4時間半で移動できます。博多港からは北東部の比田勝港へは、福岡-釜山航路「ビートル」の一部座席を利用した混乗便を運航しており、約2時間10分で到着します。旅行のプランにあった移動手段をお選びください。

対馬ならではのグルメ!これを食べなきゃ帰れません!

朝鮮半島と九州の間に位置する対馬では、双方の影響を受けながら独自の文化が築かれました。対馬在住の韓国人が伝えた本場の味を日本人好みに改良した焼肉料理「とんちゃん」や、それをバンズに挟んだとんちゃんバーガーは国境グルメの代表格。原種に近い品種で作る対州そばは、小粒で風味が強い独特の味わいが愛好家の間で大人気。島外への種の持ち出しが制限されているため、現地でしか味わえない幻のそばと言われています。また、対馬蜂蜜や原木シイタケなど、本州とは違う自然環境が生み出す美味しい食材は外せません。海の幸も豊富で、特にブランドアナゴの対州黄金アナゴは脂ノリ抜群でふっくらと肉厚。だまされたと思って、まずは他では味わえないお刺身でお召し上がりください。他にも豪快な漁師料理として知られる石焼きや、伝統の鍋料理のいりやきなど、ぜひとも食べたい一押しグルメが盛りだくさんです。

雄大な自然を感じよう!海・山・歴史が交差して生み出す絶景も必見!

オーシャンビューを望む展望スポットが目白押し。複雑な入り江と無数の島々が織りなす風光明媚な浅茅湾(あそうわん)は絶対に訪れたいスポット。シーカヤックや観光船でのクルージングを楽しむことができ、烏帽子岳展望所や万関橋からはまるで絵画のような絶景を楽しむことができます。見る者を圧倒するほどの断崖絶壁を望む豆酘崎(つつざき)は自然の力強さを感じる景勝地で、うっとりしてしまうほど綺麗な夕暮れ時に行くのがオススメ。本殿正面から5本の鳥居が並ぶ和多都美神社は竜宮伝説が残る由緒ある古社。2本の鳥居は海中にそびえ、まるで神々が海へと誘っているかのような神秘的な光景が広がります。北部にある韓国展望所や異国の見える丘展望台は、気象条件の良い日には韓国・釜山の街並みを望む国境の島ならではの景色を楽しむことができます。

歴史好き必見!日本外交を凝縮した「大陸とのクロスロード」

大陸に近いという地理的条件によって、幾度となく歴史の舞台になった対馬。まるで日本外交史を映す鏡のようです。白村江の戦い、元寇、倭寇、朝鮮出兵、日露戦争など数々の戦役では国防の最前線として激しい戦禍を被りました。一方で江戸時代には大陸文化流入の窓口となり、朝鮮通信使との交流によって文化の最先端としての地位を築きました。その影響は今でも色濃く残っており、8月の対馬厳原港まつりは朝鮮通信使の来訪を再現した華やかな行列が見どころ。日露戦争で備え築かれた姫神山砲台跡や、唐・新羅連合軍に備え、石積みと天然の断崖によって築かれた古代山城の金田城(かなたのき)を訪れ、国を守るために戦った人々に思いをはせる歴史の旅も、国境の島ならではです。