Ghost of Tsushimaの舞台「対馬」は、日本の九州の北方の玄界灘にある、
長崎県に属する山林が面積の89%を占める自然豊かな島です。
東アジア各国との距離が近いことで、元寇をはじめとする歴史上の出来事の舞台になりました。
対馬は、鎌倉時代に「文永の役」「弘安の役」の2度にわたり、元軍(モンゴル帝国軍)の侵攻をうけました。
Ghost of Tsushimaは、「文永の役」の対馬から着想して、主人公「境井 仁」による元軍への逆襲を描いたゲーム作品です。
日本占領の足掛かりとして、元軍が最初に足を踏み入れたのが、対馬にある小茂田浜でした。
その数は3 万の兵士と 900 隻の軍船だっといわれています。
応戦した武士たちは、圧倒的な戦力を前に全滅しました。
そばには小茂田浜神社がありこの元寇の戦いで戦死した宗助国(そう すけくに)と部下の兵が祀られています。
「Ghost of Tsushima は、実際の対馬に合った風景にインスパイアされているので、
そのままの姿ではありませんが、実在したものをもとに表現をしています。
そんな実在する風景を、どれだけゲームに盛り込み、どんなストーリーをもたせるか。
私たちにとってとても野心的なチャレンジとなっています。」
(『Ghost of Tsushima』開発チーム、ジェイソン・コーネル、ネイト・フォックス、片見龍平 E3 2018 メディアセッションにて)
元寇の最初の舞台となった小茂田浜ですが、現在は美しい海と白浜の海水浴場です。
古来より霊山として崇められた対馬のシンボル的な存在。
大陸系と日本系の植物が混生する独自の生態系をもち、国の天然記念物に指定されています。
トレッキングにも適しており、登山道には急斜面もありますが眺めの良さは抜群です。
ヒコホホデミノミコトとトヨタマビメを祭神とする対馬の中央部に位置する神社。
5つの鳥居のうち2つが海中にそびえ、満潮時、社殿近くまで海水が満ちた様は、
竜宮を連想させ、その荘厳さは参拝客を魅了します。
干潮時は、一の鳥居まで歩いていくことができます。
西暦667年、浅茅湾南岸に突き出した「城山(じょうやま)」に築かれた古代山城です。
663年に唐・新羅連合軍に敗れた倭国が、防衛の要所として最前線である対馬に築城したと言われています。
その後、1000年以上の時が過ぎ、日露戦争前夜という国際情勢のなか、
再び要塞として整備され、巨大な砲台が据え付けられました。
1350年以上前に防人が築いた古代山城と、100年前に旧日本陸軍建設した近代要塞が並存する城山は国の特別史跡に指定され、
今もその数奇な歴史を物語り続けています。
国指定史跡の万松院(ばんしょういん)は、
西暦1615年に宗家20代義成(よしなり)が父義智(よしとし)の冥福を祈って創建した寺で、以降、宗家累代の菩提寺となりました。
その後数度の火災により焼失したため今の本堂は明治12年(1879年)に建造されたものです。
132段の百雁木(ひゃくがんぎ)と言われる石段とそれに並ぶ石灯籠が幻想的な雰囲気を醸し出しています。
有明山は、厳原港の西2.5キロに位置し、万葉集の「対馬の嶺」に比定される名山で、
対馬への航海の目印、大陸航路のランドマークのひとつだと考えられます。
山頂付近にはやや急な傾斜もありますが、概して歩きやすい山道となっています。
山頂部は広い草原になっており、対馬最高峰の矢立山や白嶽などを望むこともできます。
見ごろは3月中旬~4月上旬。対馬に春を告げる落葉低木で淡紅色の花をつけます。
一般的には山の稜線に多いのですが、対馬では海岸沿いの岩肌なども彩り、対馬市の花に指定されています。
金石城(かねいしじょう)は、江戸時代中世から近世にかけて宗家の居館の置かれた城です。
天守閣はなく、それに代わる櫓(やぐら)を建てていました。
石垣は良く残っており、対馬流の石垣技術がうかがえます。
櫓門は1919年解体されましたが、櫓の模型が残っていたため、1990年に復元されました。
城跡は国の史跡に指定されており、城内で発掘調査された庭園は名勝に指定されています。
手つかずの自然に包まれた対馬は、まるで本物の オープンワールド!
時にはワイルドに体を動かしたり、古代に想いを馳せて文化体験をしてみたり、
誰もがまること楽しめる天然のリゾートです。
対馬は国境の島と言われるだけあり、食文化も 非常にユニークです。
歴史と大自然が育んだ、代表的な伝統料理をいくつかご紹介します。
ぜひ、対馬に行かれた際は、味わってみてください
対馬の郷土料理で、鶏肉や新鮮な魚を炒って鍋にしたところから「いりやき」と名づけられたと言われています。
ろくべえはサツマイモの澱粉で作った麺料理です。
サツマイモのでんぷん質だけを取り出した発酵食品である「せんだんご」から作られるろくべえの麺は、
プルプルした独自の食感を楽しむことができます。
蕎麦は、大陸から対馬を経て日本全国へ伝わったとされる説があります。
対州そばは、離島という条件のため、他種と交配をしてこなかったため原種に近いと言われています。
そのため、収量は少ないのですが、原種を感じさせる香りは強く、
そば愛好家から高い評価を受けています。
対馬西岸で獲れるあなごは他に見ないほど肉厚で絶品です。
天ぷら、白焼き、煮あなごなど定番の料理以外にも、他所でなかなか食べることのできない刺身は、
白身ながらコクと甘みを感じさせ、コリコリとした独特の食感を楽しめます。
江戸時代に朝鮮貿易で栄えた対馬藩において、参勤交代で江戸から帰国した藩主を迎え、
家中一同で喜びを分かち合うために考案されたと伝えられる「かすまき」。
当時、贅沢品だった砂糖をたっぷり使っており、今もその形を変えていません。
周囲を海に囲まれた対馬は、日本有数の漁獲量を誇り、日本各地の名だたる名店へ魚を卸しています。
島のいたるところで、その日にとれた新鮮な魚介類を安価に楽しむことができ、
ここでしか味わえない海の幸を楽しむため、たくさんの観光客が訪れています。
料理というより「魚そのもの」のおいしさが楽しめる島、それが対馬です。