【五島列島】自然と共に暮らす島・小値賀(おぢか)島でSDGsを意識したサステナブルな旅を
佐世保港から高速船で一時間半ほどの場所にある五島列島の小さな島・小値賀(おぢか)島。
ここにはゆっくりとした時間が流れ、現代人が忘れかけている自然との繋がりを感じられる場所。
そんな小値賀島には、島の環境保全や地域社会の持続性などを考え、日々問題解決に取り組む方々がいます。
環境問題や過疎化が日々深刻化していく中で、開発された観光地とは違った、地域文化と自然環境に配慮したサステナブルな旅をしてみませんか?
今回は地域や環境に配慮したい旅人/エコツーリストのMiyakoがお届けする、小値賀島のサステナブルな旅の過ごし方とおすすめスポットをご提案します!
掲載日:2023年11月16日
ライター:Miyako
島の移動はレンタサイクルで!
船で小値賀港に着いたら、フェリーターミナルにある「おぢかアイランドツーリズム」さんの窓口でレンタサイクルの手続きを。
普通自転車と電動自転車がありますが、今回は電動自転車をチョイス!
島内は急な坂はありませんが、アップダウンが結構あるので、電動自転車があるのはありがたいですね。
事前予約はできないので、当日そのままターミナル内にあるカウンターへ。
当日18時まで借りられるので一日ゆっくり島内を周ることができます。
小値賀島の移動手段には、レンタサイクルの他にもレンタバイク(原付)やレンタカーもあります。
島の自然を満喫するサステナブルな旅には、運転免許証もガソリンも必要ない、しま風を感じながら移動や観光を楽しめるエコなレンタサイクルがおすすめですよ。
完全予約制!古民家を改修した古民家レストラン「敬承藤松」で地産地消の島のめぐみランチ!
小値賀港の北東4kmほどの前方地区にある「古民家レストラン敬承藤松」。
捕鯨や酒造りで富を築いた旧藤松家の築約180年の歴史ある邸宅をリノベーションした、趣ある和食レストランです。
玄関から入るとガラス張りのオープンキッチンが見え、正面にはお座敷、奥には洋室もあります。
お料理は小値賀産の魚介を中心に、お米もお野菜もできるだけ小値賀産を使用し、丁寧に料理された地産地消の和食のコース。
ランチの島幸コースは一名からでも予約が可能なので、一人旅の方にも嬉しいですね。
事前予約制なので食品ロスの削減にも繋がります。地域の旬の恵みをいただいて、心も体もハッピーに。
今回、島幸コースのお刺身は、小値賀のブランドイサキである「値賀咲(ちかさき)」の姿造り!
漁業が盛んな小値賀島には意外にもお魚屋さんがなく、お刺身やお寿司をいただけるところも限られていますが、こちらでは小値賀産の美味しいお魚をコース料理で贅沢に味わえます。
ゆっくりと時間が流れる歴史ある日本家屋で、お部屋から見える日本庭園を眺めながら島の恵みのお食事を。
お食事後には、裏のお庭に出て、以前使われていた船着き場へ続く並木道やお部屋から見える日本庭園の散策もされてみてくださいね。
住民の想いで蘇ったSDGsビーチ!白浜海岸
小値賀島の砂浜海岸と言えば、島の北部にある柿の浜海水浴場!
ですが、島の北西にある「SDGsビーチ」と呼ばれる白浜海岸もぜひ訪れてほしい場所です。
ここは数年前まで海岸に漂着した海ごみで白い砂浜が見えなくなり、泳ぐこともできず残念な状況でした。
そこから、とある地域の青年の行動がきっかけとなり今のキレイな白浜ビーチに!
子どもの頃のきれいな白浜海岸を取り戻したいという思いから、一人で砂浜海岸の清掃活動を始め、その後も有志の方々による毎日の海岸清掃の努力によって再び蘇ったという逸話を持つビーチなんです!
砂浜のそばには海ごみが集められた形跡が見られ、日々のボランティアの方の思いを感じます。
地域の方たちの努力でキレイに保たれているビーチに新たに打ち上げられたゴミを見ると、なんだか自分もごみを拾いたくなりました。(私も実際に少し拾って帰りました)
また、東屋に海ごみのブイでできたアートが飾られていたり、手作りのブランコがあったりと地域の方の白浜海岸に対する愛と思いを感じられる場所です。
2022年6月には遊泳禁止が解かれ、夏の時期には海水浴もできるようになりました!
人が少ない穴場のビーチなので、夏のシーズンに限らず、海辺の砂浜に佇んで波の音を聴きながら絶景の海や島の自然を堪能してみては。
※遊泳禁止は解除されたものの白浜海岸は「海水浴場」ではなく「海水浴適地」であり、施設や監視体制などは十分整っているわけではありませんのでご注意ください。
海洋ごみをアップサイクルしたアートに注目!江川商店
白浜海岸から徒歩15分ほどの場所にある江川商店。
お店の外観のインパクトが強いので、通り過ぎる心配はありません!
こちらの店主の江川さんこそ、先ほど紹介した漂着ごみで汚れていた白浜海岸の清掃を始めた方。
子どもの頃にお世話になった砂浜がごみだらけでかわいそうと、今でも真冬以外のほぼ毎日、お店を開ける前に浜清掃をされているそうです。
お店の外観にはその白浜海岸で拾ってきた海ごみや流木をアップサイクルしたアートが飾られていて、目を楽しませてくれます。
(アップサイクルとは…本来は捨てられるはずのものに価値を与え、新たな製品に再生すること)
お店や飲食店などは小値賀港に近い笛吹郷に集中しており、島の西側にはお店が少ないので、地域の方々はもちろん、島を周っている観光客の方も助かりますね。
斑島(まだらしま)に行く際に通る道沿いにあるので、島を周る際にはこちらにもぜひ立ち寄ってみてくださいね。
日本の建築美を受け継いだ古き良き島の家に、暮らすように泊まる「古民家ステイ」
日本全国で問題となっている空き家。
小値賀島には、いくつかの集落に点在する築100年以上の古民家をリノベーションした一棟一組貸し切りの宿泊施設「古民家ステイ」があります。
先ほど紹介した、「古民家レストラン敬承藤松」の建物と、「古民家ステイ」の6棟の古民家は、アメリカ出身の東洋文化研究家アレックス・カーさんが小値賀島の古民家再生プロジェクトで手がけたもので、趣や日本の美をそのままに残し快適さをプラスし、生まれ変わりました。
古民家を改修して、長く使い続けるという選択。
古いものを大切にして活用し使い続けるという精神は、昔からあった日本の心でもあります。
料金は決してお安くはないですが、生まれ変わった小値賀の文化資源でもある伝統的な島の家に貸し切りで泊まるという贅沢な旅の体験はきっとプライスレス。
また、備え付けのシャンプーや石けん類は、できる限り小値賀の海に影響を与えないものが選ばれており、地域の環境にまで配慮されています。
もちろん、小値賀島には古民家ステイ以外にも旅館や民宿、民泊などの宿泊施設もあります。
「古民家ステイ」でも島の方との交流ができる体験プランをお願いすることもできますが、もっと地域の方と触れ合いたいという方は、現代の島の生活と地域の方とのつながりを存分に体験できる民泊という選択肢もいいかもしれませんね。
島の環境や文化を学び、ゆったりとしたサステナブルな旅を楽しもう!
小値賀島にはなんでもない魅力がたくさんあります。
観光資源は新しく作るのではなく、あるものを活用する。
そして、観光客にとっても地域の持続可能性や環境保全を意識して旅をするというのはこれからもっと大切になってくるのかもしれません。
この他にも、レンタサイクルで周れる小値賀島の絶景スポットがたくさんありますので、以前まとめた記事も合わせて読んでみてくださいね!
こうした自然のスポットを巡り、少し贅沢をして地域の特色を生かした食事や滞在先に泊まることは、小値賀島の持続可能な観光に貢献することにも繋がります。
また、小値賀島で行っている環境に配慮した取り組みや観光体験を別記事にもまとめたので、よりサステナブルな観光体験を求める方は、ぜひこちらの記事も読んでみてくださいね。
今回訪れた場所
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この記事を書いた人
#ナガサキタビブ 部員(公式ライター)
長崎の魅力を県外や海外の方に知ってもらいたい!
長崎県大村市出身。インバウンドを得意とする旅のコンテンツクリエーター。海外・東京などでの生活を経て、2018年の暮れに長崎にUターン。その後、長崎の歴史や文化を学び直し、その魅力にはまる。個人のSNSやフリーランストラベルライターとしても複数メディアで長崎の魅力を発信中。