SDGsを学んで旅の思い出作り!海洋プラスチックゴミを拾ってキーホルダーを作ろう in 上五島
島の数が日本一の長崎県。
大陸との間の東シナ海に浮かぶ、五島列島・壱岐・対馬などの島の海岸には、毎日たくさんの海のごみが流れ着いているという現状があります。
島の海水浴場などでは、地元の有志や行政によるビーチクリーン(海岸清掃)が行われているところもありますが、旅行で訪れた際にそうした現状を学び、触れる体験ができたらと思いませんか。
今回訪れた五島列島の新上五島町には、海洋ごみをアップサイクルしてキーホルダーに生まれ変わらせることができる体験があります。今回は材料となるゴミを拾うビーチクリーンから体験してきました!
掲載日:2022年12月19日
ライター:Miyako
体験に使う海洋プラスチックゴミを自分で拾ってみよう!
海洋プラスチックごみを使ったキーホルダーを作る体験は、有川港から徒歩3分ほどの「五島うどんの里」で行われています。【当日予約も可能】
材料はすでにその場に揃っていますが、体験に使う海洋プラごみは上五島の海岸で、自分で拾ってきたものを持参してもOKとのこと。
今回はSDGsの目標14 「海の豊かさを守ろう」
を意識して、海岸清掃も兼ねた海洋プラスチックごみの材料集めからやってみました!
五島うどんの里で電動アシスト付き自転車を借りてビーチクリーンへ!
五島うどんの里内にある新上五島町観光物産センターのカウンターでは、電動アシスト付き自転車や超小型電気自動車の「コムス」、電動キックボードなどの貸し出しを行っています。
ガソリンを使わない乗り物のオプションが複数あってこちらもエコ!
離島のガソリンの給油は本土よりも高いので、ガソリン代もかからず助かりますね。
こちらで3時間800円で借りられる電動アシスト付き自転車をレンタル。(料金は2022年12月現在)
これに乗って五島うどんの里から一番近い海水浴場で島内一番人気の蛤浜海水浴場へ!
材料を集めにビーチクリーンに行くと伝えると、新上五島町観光物産協会の方からゴミ袋とゴム手袋を頂きましたよ!
海洋ごみを資源に!蛤浜海水浴場で材料集め!
蛤浜海水浴場へは五島うどんの里から自転車で10分ほど。
上五島内にもビーチはいくつもありますが、夏のシーズンに海水浴客でもっとも賑わうのがこちらの蛤浜(はまぐりはま)。
遠浅で透き通った、島内で一番人気のビーチです。
シーズン中はマリンアクティビティが楽しめますが、シーズンオフは静かなので、海辺に佇んで海を眺めながらゆっくりできそう。
キレイな砂浜と青い海とは裏腹に、海岸に漂着する海洋ごみ。
こちらでは地元の有志によって海岸清掃が行われているそうです。
そのお手伝いも兼ねて、さっそくビーチクリーン!
色とりどりのプラスチックごみを探してみよう!
キーホルダー作りに必要なのはペットボトルのキャップ3個分ほどのプラスチックごみ。
それだけ拾えばOKなのですが、せっかくなので袋いっぱいにプラスチックごみを拾ってきました。
5mmほどに細かく刻まなくては使えないので、マイクロプラスチックを拾うとその手間が省けます。
分厚いプラスチックごみは、切ったり細かくするのが難しいので使えないそう。
おさかなのキーホルダーを作るのをイメージして、色んな色のプラスチックごみを拾ってみましょう!
自分で海岸のごみを拾ってみると島にどんなごみが流れ着いているのかを知ることができます。
漁具のプラスチックごみが多く、ハサミで切りやすいので材料にも向いているそうですよ。
拾ったプラスチックごみを水洗いでキレイにしてから細かくカット
ビーチでゴミ拾いをした後は「うどんの里」に戻り、ごみを選別し、プラごみの汚れを落とすために水洗いを。
汚れを落としたプラごみの水気を拭いて乾かしてから5mm程度にカットします。
カット用のハサミなども貸していただけました。
水洗いや材料のカットもスタッフの方に教えて頂きながら一緒に作業。
キーホルダー作りの前に資料を見せてもらいながら海洋ごみの話や長崎県や上五島の実情についても教えて頂きました。
2019年の調査では長崎県のマクロプラスチック漂着状況において新上五島町の蛤浜海水浴業が一位だったそうです。
確かに砂浜にはたくさんの細かいプラスチックごみが落ちていました。
ただキーホルダーを作るだけではなく、長崎県や上五島の海洋ごみのお話を聞けるのもいい機会ですね。
この体験は海と距離が近い島の地元の方やこどもたちの参加も多いそうですよ。
おさかなの型のフィルムにカラフルなプラスチックの小片を敷き詰めて
自分で拾ってきた海洋プラスチックごみを細かく切って使うもよし!
すでに用意されている色分けされたプラスチックの小片を使うもよし!
それを使ってオリジナルのお魚型のキーホルダーを作ってみましょう。
専用のフィルムが用意されているのでその上に自分の好きな色のプラスチックのかけらを乗せます。
溶け方にも寄るのでどのように出来上がるかはお楽しみ。
プレスして成形!プラスチックを溶かす工程を観察
型にはめてプラスチックを溶かすため、プレス機へ!
180度の熱を加えてプラスチックを少しずつ溶かしていきます。
この工程は機械が熱くて危険なのでスタッフの方にお任せしましょう。
溶けているプラスチックの音がジリジリ聞こえてきます。
どんなお魚になるかな?
ジャーン!
型から出したものを見せてもらいました!
同じものは作れない、
プラスチックごみでから生まれ変わった世界に一つだけのお魚アートです!
最後の仕上げはキーホルダーに?
通常は魚の周りの薄いフォルム部分に沿ってお魚だけ切り取り、やすりでキレイに整えるのですが、周りもいい感じの色になったので、今回は切り取らずキレイに四角に切って整えてみました。
フレーム付きもこれはこれで味があります。
最後に魚の目のところに穴を開けて紐を通すと、キーホルダーの出来上がり!
紐を長めにすると首にかけられてペンダントにもなりますね!
上五島のポストカードのお土産とともに形に残る旅の思い出を!
体験に参加された方には数種類の上五島のポストカードからお好きなものを一枚プレゼントされます。
私は上五島の透き通った海のポストカードにしました。
ビーチをキレイにし、ごみを減らして、長崎の海の現状を知る。
自分で作る海洋プラスチックごみのキーホルダーは、参加者の意識を変え、上五島の旅の思い出とともにきっと残っていくでしょう。
今回は材料まで拾ってくるところからやりましたが、キーホルダー作りの体験だけであれば30分ほどでできます。
有川港で時間があったり、「五島うどんの里」にお立ち寄りの際は体験してみてくださいね。
お隣の小値賀島にもこうしたサステナブルな取り組みや体験が!
上五島の有川港から高速船で行くことができるお隣の小値賀(おぢか)島。
2021年の夏に行ったのですが、小値賀島でも「OJIKA GREEN TRIP」という名で観光客でも環境保護活動に貢献できる取り組みを行っていました。
小値賀では海洋プラごみを使ったブローチ作り体験のほかに、シーカヤックでのビーチクリーン体験や、ビーチクリーン用のクリーンキットの販売なども行っています。
島内に住む若い方の環境への意識がとても高い印象でした。
小値賀島に行かれる際にも、こうした体験に興味のある方はぜひチェックしてみてくださいね。
今回訪れた場所
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この記事を書いた人
#ナガサキタビブ 部員(公式ライター)
長崎の魅力を県外や海外の方に知ってもらいたい!
長崎県大村市出身。インバウンドを得意とする旅のコンテンツクリエーター。海外・東京などでの生活を経て、2018年の暮れに長崎にUターン。その後、長崎の歴史や文化を学び直し、その魅力にはまる。個人のSNSやフリーランストラベルライターとしても複数メディアで長崎の魅力を発信中。