語り手と行く!「湯にも地獄の物語」お昼の雲仙温泉ナイトツアーコース…支える方々の想いを聞いてみた!
雲仙地獄の夜の新しいコンテンツ「湯にも地獄の物語」
ちょっと怖くて摩訶不思議な昔話を聞きながら、夜の地獄を巡るツアーは非日常感満載で、とっても魅力的!
でも夜道は暗くて歩くのはちょっぴり不安…と思ってる方々もいらっしゃるのでは…?
今回は特別に、昼間にナイトツアーで回るコースをツアーの語り手の伊藤 瑞(いとう みずき)さんと一緒に巡ってみました。
(※通常は昼間のコースはございませんので、ご了承ください)
掲載日:2023年02月28日
ライター:MILK
「湯にも地獄の物語」って、どんなツアー?
「湯にも地獄の物語」は夜の雲仙地獄が舞台。
提灯を下げ、ガイドの導きで4つのお話を聞きながら巡るというものです。
ネーミングや写真の雰囲気から、まるでお化け屋敷のような怖いツアーなの?…と思われがちですが、ホラー的な怖さではなく、この土地に昔から伝わる不思議な物語を、雲仙地獄の臨場感溢れる環境で鑑賞する、というツアーなんです。
吹き出す蒸気と硫黄の香り、そしてグツグツと地面から湧いてくる音…
視覚・嗅覚・聴覚など、五感に訴えてくる状況は、まるで演劇の舞台のようです。
そこで聞く語り手の話は、参加者を非現実的な空間へと誘います。
立ち寄りスポットは計5ヶ所!
ツアー中は幽玄な雰囲気の伊藤さんですが、普段は明るくてチャーミングな方です。
【壱の巻】雲仙哀歌(大叫喚地獄)⇒【弐の巻】河童の手(展望台)⇒キリシタン殉教碑⇒【参の巻】お糸地獄の由来⇒【四の巻】清七地獄の由来…と、計5ヶ所のスポットを順を追って案内してくださいました。
行程の途中には、真っ暗な場所や、坂道、階段などがありますが、全て舗装された道です。
暗い時間でも、うっかりぬかるみに足を取られるようなことはありませんので、どうぞご安心を!
ツアーの出発地点は「50周年広場」
国立公園雲仙指定50周年の際に作られた記念モニュメントがある石畳の広場が、このツアーの出発地点です。
雲仙温泉観光案内所でお話を聞いてみた
「雲仙温泉観光案内所」は、雲仙温泉街の中心部にあり、外観もとってもお洒落!
建物の中に入ると観光パンフレットや情報が充実しています。
案内所の手島さんは生まれも育ちも雲仙の方…
子供の頃から慣れ親しんできた昔話を、このようなツアーでお伝えできるのは嬉しいと言われてました。
また、今まで開催されてきたイベントは、季節限定で単発のものが多かったので、年間を通じて開催できるアクティビティは、今後も継続が必要と話されていました。
手島さんは県外へ出た後に雲仙に戻ってきたUターンの方。
以前のような雲仙の賑わいを懐かしみつつ、外の視点で長期滞在できるようなコンテンツを増やせるよう、人材育成その他に尽力されています。
演者の想い 【語り手|伊藤 瑞さん】
語り手の「伊藤 瑞」さんは、大村市で語りの講師を行いながら、FM大村パーソナリティなどのお仕事をされています。
表情豊かに語るその姿は、ツアー参加者を魅了します。
回を重ねる毎に「もっとこうしたら良いんじゃないか」という発見があり、コースや台詞を修正したり、改善を重ねているそうです。
外部の人間が雲仙のことを語るのはどうかなと思われていたそうですが、「来客の多い時期は地元の方は家業も忙しいので、伊藤さんがやってくださって助かっている」という言葉を頂き、ご自身の存在意義を感じたそうです。
今後は新しい演者の育成にも力を入れていきたいとのお話でした。
演者の想い 【弾き手|石井 秀歩さん】
弾き手の「石井 秀歩」さんは、津軽三味線全国大会で数々の賞を受賞されている、国内屈指の三味線奏者です。
政府公認事業でロンドンやパリにも凱旋され、世界各国の要人の前でも演奏を披露されています。
そんな方の三味線が、雲仙地獄のロケーションの中で聴けるなんて、素晴らしいですよね!
ツアー内ではお芝居もされるのですが、自分に合った言い回しに変えたりと、工夫を凝らして演じてられています。
この演出がちょっとしたサプライズ効果もあって、ツアーを深く印象づけているようです。
案内人の想い 【ガイド|中村 和美さん】
ガイドの「中村 和美」さんは普段から、島原半島内でジオパークガイドとしても活躍中!
ツアーの最初には、ジオ目線で雲仙についてのお話をされます。
どうしてここに温泉があるのか?どうしてここに地獄があるのか?…など、興味深くて楽しいお話で、ツアー開始直後から、参加者の心を盛り上げます。
以前は九州内で活躍するバスガイドさんだったため、語り口調も大変鮮やか!
そんな中村さんですが、以前は人前で話すのが苦手だったというから驚きです。
最初は「苦手なことを克服する時かな」という気持ちでガイドになったそうですが、参加者にお話を投げかけると質問が来たり、会話のキャッチボールが楽しく、日々充実した案内を楽しまれているそうです。
シナリオライターの想い 【小川内 清孝さん】
ライターの「小川内 清孝(おがわうち きよたか)」さんは、小説やシナリオ・脚本などの執筆をされています。
平成27・28・30年の長崎公演で大好評を博した市民ミュージカル「赤い花の記憶 天主堂物語」でご存知の方も多いのではないでしょうか。
湯にも地獄の物語のシナリオを制作する際は、史実にのっとり、本当に語り継がれてきた話を伝えることに気をつけたそうです。
それにより「その場所(地獄)でやることに意味が出てくる」と話してくださいました。
「湯にも地獄の物語は、総合的なエンタテイメント!携わる方々のチームプレイにより成り立っています」という言葉が印象的でした。
ディレクターの想い 【坂井 恵子さん】
ディレクターの「坂井 恵子」さんは、雑誌&WEBの編集事務所、株式会社スタジオライズの代表。
夜になると暗くて怖い場所であった雲仙地獄…
そんな場所だからこそ、提灯を下げて歩くナイトツアー「湯にも地獄の物語」を考え出されたそうです。
夜の雲仙地獄では、以前から自然を知ってもらうナイトツアーがありましたが、物語を軸にしたツアーをつくろうと2019年の冬から制作が始まり、脚本、語り手、三味線の音…と互いを融合させるように構築が進みました。
「雲仙地獄は処刑場ではない。ここは殉教という、神様に選ばれ天に召された場所であること」
それをきちんと解説することにも留意されたそうです。
「ツアー開催にあたりトライアルも含めて、坂井さんは何度も現地に足を運んでいました」と、ライターの小川内さんが話してくださいました。
3月の第2、第4土曜日に「湯にも地獄の物語」が再開!
12~1月のお休み期間を終え、3月の第2、第4土曜日に「湯にも地獄の物語」が復活します!
雲仙地獄の壮大なロケーションの下、その地に代々伝わる昔話を、プロの演者のパフォーマンスで楽しんでみませんか?
夜の地獄には、お昼には無い魅力があります。
まるで一本の舞台を観終えたような充実感を味わえると思います。
ぜひ一度体験してみてくださいね。
お昼の「お糸地獄」には、名物の温泉たまごや温泉レモネードの売店もありますので、併せてお楽しみください。
この記事を書いた人
#ナガサキタビブ 部員(公式ライター)
実際に訪れてみたくなるような「人を動かす写真」をお届け!
「観る観光地」だけでなく「人が写って映える観光地」の提案+美味しい物も♪プロカメラマンならではの視点で、今まで気付かなかったスポットも発掘していきたいです。地域活性化を目指す市民グループ「諫早もりあげガールズ」のメンバー。見知らぬ猫も、エサ無しで惹き寄せる特技アリ。プロフのフルーツバス停の写真は、ゆうちょの全国カレンダーに採用されました。