伊王島は歴史も奥深い!マンホール型案内板で観光ナビゲート!制作イラストレーターと巡ってみた♪(後編)
長崎市のリゾートアイランド、伊王島内に設置された「長崎さるく」イメージキャラクターの「さるくちゃん」が描かれた、かわいいマンホール型の埋込式案内板を巡る旅の後編です。
前編はこちら▼
掲載日:2022年07月05日
ライター:MILK
【#09 千畳敷(せんじょうじき)】平康頼(たいらのやすより)に扮するさるくちゃん
伊王島には「平家物語」の舞台としての伝説があります。
京都の山荘で平氏討滅の密議をした罪で流刑となった平康頼(たいらのやすより)が、俊寛僧都(しゅんかんそうず)、丹波少将藤原成経(たんばしょうしょう ふじわらのなりつね)らと共に、鬼界ヶ島に流されたという伝えはありますが、その島が伊王島だという説があります。(諸説あり)
千畳敷(せんじょうじき)は、平康頼が、岩戸恵比須(いわとえびす)の見えるこの岩場を舞台にして、舞を奉納したと言われる場所です。
満潮時には海面下に沈みますが、干潮時には広い岩場となる自然の岩棚です。
さるくちゃんの案内板は、その岩棚への降り口の正面にあります。
千畳敷の岩場に降りることはできますが、かなり傾斜のある岩盤のスロープを渡らなければなりません。
手すりに結びつけある一本のロープで、その斜面を下ることになるのですが、「使用に際しては、自己責任で」とのこと・・・
降りるのは断念しました。
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#09 千畳敷
平康頼に扮するさるくちゃん
【#10 北原白秋の歌碑】白秋に扮したさるくちゃんが俊寛を思い歌を詠む
流刑の翌年、平清盛(たいらのきよもり)の娘が懐妊しますが、体調が思わしくなく、「苦しんでいるのは生霊のためであるから、流島の人を助けよ」と告げられた清盛は、成経と康頼の二人を赦して京都に帰しました。
しかしなぜか俊寛だけは赦されず、一人だけ島に残されます。
俊寛の召使いであった有王丸(ありおうまる)が、主人の俊寛一人だけが赦されず残されたことを悲しみ、京都から島まで尋ねてきますが、皆にこれ以上苦労をかける訳にはいかないと、俊寛は食を断ち他界しました。
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#10 北原白秋の歌碑
白秋に扮したさるくちゃんが俊寛を思い歌を詠む
【墓碑・歌碑】並んで建つ俊寛僧都の墓碑と北原白秋の歌碑
白秋は1935年(昭和10年)に伊王島を訪れ、俊寛の悲しい運命に心をうたれ、死ぬ前の1942年(昭和17年)に「多摩詩に伊王島」と題して長歌一首と反歌を詠んだそうです。
「いにしえの流され人もかくありて すえいきどおり海をにらみき」
1950年(昭和25年)に、長崎県下の文人や地元の人々の篤志によって、ここに歌碑が建てられました。
俊寛僧都の墓碑と北原白秋の歌碑は、隣りあわせで伊王島中央児童公園にあります。
長崎らしい白い尾曲がり猫が、今の世の穏やかさを示すかのように、墓碑・歌碑の前をゆっくりと通り過ぎて行きました。
【#11 白髭神社】武内宿禰(たけのうちのすくね)に扮したさるくちゃん
白髭神社を探し出すのには、かなり苦労しました。
ナビが差す方向に向かっても、道が草で通れなくなっていたり(通れない箇所は、最後の段落のMAPで確認してください)、特別な表示板も見当たらず不安に・・・
たまたま近くにいらしたi+Land nagasaki(アイランドナガサキ)の方にお尋ねしたら、親切に道案内してくださいました!
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#11 白髭神社
武内宿禰(たけのうちのすくね)に扮したさるくちゃん
【白髭神社・八坂神社】武内宿禰(たけのうちのすくね)が氏神として祀られている白髭神社
武内宿禰(たけのうちのすくね)が氏神として祀られている白髭神社は、伊王島に遠見番所ができた江戸時代後期に建てられたと伝えられています。
武内宿禰は、記紀に伝わる古代日本の人物で、景行・成務・仲哀・応神・仁徳の5代(第12代から第16代)の各天皇に仕えたという伝説上の忠臣です。
昭和18(1943)年~昭和33(1958)年発行の一円紙幣の肖像人物として知られています。
大自然の中にひっそりと佇む神社は、厳かな雰囲気を纏っていました。
【伊王島 網元食堂】Ark Land Spa(アークランドスパ) 内にある和食屋さん
プレート巡りの途中ですが、休憩も兼ねてランチをとることに。
アイランドナガサキの施設のひとつ「Ark Land Spa(アークランド・スパ)」という温泉施設内にある「伊王島 網元食堂」は、温泉利用者限定のお店と思われがちですが、お食事だけでも大歓迎!
280円均一の「逸品料理」と380円均一の「のせ飯」を組み合わせ、お腹の空き具合に合わせてオーダーできる気軽さが好評です。
海鮮丼やうどん、御膳などメニューも豊富なので、小さなお子様連れも安心して利用できますよ。
伊王島を巡る旅が終わった後に、汗を流しに温泉施設の方を訪れるのも、楽しそうですね。
【 #12 畔の岩這】夕陽の落ちる畔の岩這で、カニと戯れるさるくちゃん
伊王島町の南部「沖ノ島」の海岸線を南下していくと、「畔の岩這(あぜのいわばえ)」の看板が見えてきました。
さるくちゃんプレートは、そのすぐ足元に設置してありますよ!
車道から見下ろす先には、絶景が広がっています。
PickUp
#12 畔の岩這
夕陽の落ちる畔の岩這で、カニと戯れるさるくちゃん
【畔の岩這】青島の「鬼の洗濯岩」のような絶景スポット
潮の満ち引きによって、その風景はかなり変わりますが、干潮時には、宮崎県の青島にある「鬼の洗濯岩」のような光景を見ることができます。
海岸への降り口もありますので、ここも絶景のフォトスポットですよ!
【#13 馬込教会】白亜の教会前でピースサインのさるくちゃん
伊王島大橋を渡って緩やかなカーブを曲がり切ると白亜のゴシック洋式が美しい教会が目に止まります。
「カトリック馬込教会」です。
この教会の正面に、さるくちゃんプレートは設置してあります。
これは比較的簡単に発見できるプレートですよ。
PickUp
#13 馬込教会
白亜の教会前でピースサインのさるくちゃん
【馬込教会】伊王島のシンボル的存在の白亜の教会
馬込教会は、日本の伝統的な屋根瓦を教会のゴシック様式のデザインに融合させて建築している、大変興味深い教会です。
【#14 竜宮社】二つの鳥居を背景に、恵比寿様に扮したさるくちゃん
馬込教会から島の中心部に進むと、伊王島港ターミナルが見えてきます。
竜宮社のプレートは、そのターミナル近くの橋のたもとにありますよ!
竜宮社には龍王が祭ってあります。
この地域の方々はここで大漁を祈り、海上の安全を祈られてきたそうです。
PickUp
#14 竜宮社
二つの鳥居を背景に、恵比寿様に扮したさるくちゃん
【竜宮社】永い間、人々の暮らしの安全を見守ってきた社
伊王島の船津瀬戸の沿岸部にある竜宮社には、二つの鳥居が並び、その前方には「恵比寿様」が祀られています。
潮の満ち引きにより、その光景は変化しますが、海面近くまで降りることができる階段もあり、美しいショットが撮れるパワースポットです。
【#15 伊王島港ターミナル】島内外の人々が行き交う集いのスポット
伊王島への海からの玄関口、伊王島港ターミナルにも、さるくちゃんプレートは設置してありますよ!
出入り口にあったので、すぐに発見できました。
PickUp
#15 伊王島港ターミナル
トゥクトゥクに乗るさるくちゃん
【#16 大明寺教会】美しいゴシック風のアーチ型天井に囲まれるさるくちゃん
大明寺教会は、灯台方面に向かう車道から上りつめた小高い丘の上にあります。
現在の教会は、1973年(昭和48年)に建て替えられたものですが、初代教会堂(紹介案内板の写真)は、愛知県の明治村に移築され
「大明寺聖パウロ教会堂」として、一般公開されています。
建物の外観は伝統的な日本家屋と変わりないようにも見えますが、内部は大浦天主堂と同じく美しいゴシック風のアーチ型天井を持つ三廊式の教会堂建築になっているそうです。
ここのさるくちゃんプレートには、その内部の様子が描かれています。
PickUp
#16 大明寺教会
美しいゴシック風のアーチ型天井に囲まれるさるくちゃん
【アコウの木】大明寺教会近くに佇む巨木
大明寺教会の近くに、大きな「アコウの木」がありました。
アコウはクワ植物の一種で、イチジクと同じ種類なのだそうです。
九州では時々見かけられますが、露出した根がくねくね入り乱れ、
枝からはヒゲみたいな気根がいくつも出ていて、
独特の雰囲気がある植物です。
大明寺教会に出向かれた際には、ぜひ一緒にご覧になってみてください。
【総合案内(ゴール)巡る島 伊王島スタンプラリー】令和4年3月7日~令和5年3月31日 開催中!
前編でもご案内しましたが、現在【巡る島 伊王島スタンプラリー】が令和4年3月7日~令和5年3月31日まで開催中です!
さるくちゃんプレートをコンプリートした方は、総合案内所で提示するともれなくエコバックが貰え、
更にi+Land nagasaki(アイランドナガサキ)のペア宿泊券が抽選で当たりますよ!
(記事中の#ナンバーは、スタンプ台帳上のナンバーとは対応していません。)
これは、同行イラストレーターさんが、「案内板を巡る旅」をわかりやすく図解したMAPです♪
どうぞ「巡る旅」の参考にされてくださいね!
実際に巡った人にしか解らないポイント解説満載のMAPです。
※拡大して見たい方は、PDFをご覧ください。
この記事に掲載の無い8基のプレートについては、前編にてご紹介しています。
想像以上に歴史的史実に溢れた伊王島…
リゾートだけではない伊王島の魅力を是非、体感してみてください!
今回訪れた場所
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この記事を書いた人
#ナガサキタビブ 部員(公式ライター)
実際に訪れてみたくなるような「人を動かす写真」をお届け!
「観る観光地」だけでなく「人が写って映える観光地」の提案+美味しい物も♪プロカメラマンならではの視点で、今まで気付かなかったスポットも発掘していきたいです。地域活性化を目指す市民グループ「諫早もりあげガールズ」のメンバー。見知らぬ猫も、エサ無しで惹き寄せる特技アリ。プロフのフルーツバス停の写真は、ゆうちょの全国カレンダーに採用されました。