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【雲仙・小浜】1泊2日旅 セルフリノベーションのゲストハウス「諸山宿舎」で、小浜温泉に暮らす体験を

【雲仙・小浜】1泊2日旅 セルフリノベーションのゲストハウス「諸山宿舎」で、小浜温泉に暮らす体験を-1

雲仙市の小浜温泉街。今日も、海岸沿いには源泉の湯気がいくつも立ち上っています。

今回の訪問地は、坂道をすこし登った斜面地にある「刈水(かりみず)」地区。
側溝を流れる水の音と、細い路地をすれ違う人たちの挨拶が聞こえてきます。刈っても刈っても水が湧き出てくる様子から「刈水」と呼ばれるほど、小浜温泉街の中でも特に湧水量が豊富で、昔ながらの暮らしが残ったこの場所に、2023年、ゲストハウス「諸山(もろやま)宿舎」がオープンしました。

小浜温泉街の1泊2日旅。今回はここを拠点としましょう。

烏骨鶏に迎えられ、刈水の滞在スタート

古い民家が立ちならぶ、細く急な路地を上がった先に、年季の入ったトタン壁の建物が見えてきました。

迎えてくれたのは、「諸山宿舎」オーナーの諸山岳志さん。
「温泉街でせっかくお風呂に入っても、斜面地だから、夏は帰ってくるだけでまた汗だくですよ」と笑いながら教えてくれました。

コケコケという声が聞こえたかと思うと、烏骨鶏の家族が足元に。近所のお年寄りの方が飼育されていた「つがい」をもらい、あっという間にたくさん増えたのだとか。

体の小さいヒナから、クチバシの上にこぶのついたオス。こんなに間近で烏骨鶏を見たのは、はじめてです。刈水地区ののどかな暮らしが垣間見えています。

木々が植えられた中庭に癒されて

道路からははっきり見えませんでしたが、敷地には、中庭を囲むように三棟の建物が並んでいます。

ひとつは、諸山さんご家族のご自宅。ひとつは「宿舎の売店」と呼ばれるフロント兼ショップ、そしてもうひとつがゲストハウスです。

中庭には、数メートルはあろうかという大きなシンボルツリーが。オーナー・岳志さんの好きなユーカリの木だそうです。息子さんの誕生記念に腰の高さの苗木を植えたのが、見る見るうちにここまで育ったのだとか。

セルフリノベのモダンな室内

室内に入ると、すてきな内装に思わず息が漏れました。築60年を超えた古民家が、モダンなゲストハウスに生まれ変わっています。そのほとんどがセルフリノベーションだという室内は、シンプルで、無駄を省いた、機能的な設計。

実は、多摩美大出身という諸山さんご夫妻。家具や食器、小物など、細かなところまで心地よいのは、デザインセンスあふれるお二人のチョイスだからでしょうか。ゆったりとしたBGMに、窓から差し込む陰影のある光。余計な情報がない空間だからこそ、頭も心もデトックスできる滞在になりそうです。

PickUp

-1

鍵はタッチのスマートロック式。こういった宿泊施設がはじめての方も、親切に教えていただけるので安心です。

キャビンルーム/プライベートルームでお好みの滞在を

建物入ってすぐの空間が、キッチンとダイニングを含めた共有スペース。右側奥には、お手洗いと、長期滞在の方向けに備え付けの洗濯機(有料)があり、ダイニングの奥は、相部屋タイプのキャビンルームが。濃淡の異なるグレーでそろえられたインテリアが印象的です。

特にこだわりが詰まった壁は、漆喰に炭を混ぜて、このカラーを再現したのだとか。

建物両端にある階段を上れば、二部屋あるプライベートルームにそれぞれつながり、窓からはシンボルツリーのユーカリと、刈水の街並みを、また違った視点で見ることができます。目の前の道は小学生の登下校ルートでもあり、暮らしの一部としての滞在時間が流れています。

オヤツもちょっとしたお土産もそろう「宿舎の売店」

チェックインの際に気になっていた「宿舎の売店」へ。ここでは、諸山宿舎の巾着などオリジナルグッズに、子どもも大人もついつい選んでしまう駄菓子、奥さまの朗(あき)さんの趣味で集めたという、昭和のグラスや古道具が購入可能。
朗さんのお母さまが作られているジャムも小瓶で売られていました。明日の朝食用に思わず購入!

湯道具を手に、温泉街へくり出そう

今晩の入浴は、小浜温泉街へ。

ゲストハウスの玄関脇に「湯道具」と書かれたカゴがかけられていました。宿泊者は自由に使用可能なのでカゴを手に温泉へ。付近には立ち寄り湯のできる温泉旅館や、家族風呂などが多数あり、それぞれに泉質や湯温が少しづつ異なるのだそう。

バラエティー豊かな入浴施設の中から、狙いを定めて訪れるもよし、流れと勢いに任せて出会いを楽しむもよし、自分だけの「湯活」を楽しんでみましょう。

体の芯までホカホカに温まった帰り道。天気がよければ、心洗われる夕焼けが見られるかもしれません。

PickUp

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一般的なゲストハウス同様、諸山宿舎に夕食はついていないため、食事は入浴と合わせて小浜温泉街で済ますのが吉。イタリアンのお店や、アットホームな居酒屋などお好みに合わせてチョイスが可能です。オーナーの諸山さんにオススメを教えてもらうのも◎。今回、わたしたちが訪れたお店は、別記事にて紹介しています。

島原半島の贅沢な味わいに包まれる至福の時間

朝ごはんは「無人販売モーニング」で

烏骨鶏の鳴き声が、どこからともなく聞こえてきました。気持ちのよい刈水の朝です。

新鮮な空気を吸って、伸びをして、中庭で白みはじめた空を眺め、軽く付近の散歩へ。旅先と日常がシームレスにつながる不思議な感覚です。

朝食は、前日のうちに付近で購入しておくこともできますが、冷蔵庫にストックされた「無人販売モーニング」もオススメ。
ラインナップは、小浜温泉街にあるスパイスカレー店「カレーライフ」の「キチュリ」や、イタリアンレストラン「La Spiaggina」の「フォカッチャ」など。記載のとおりに、オーブンや湯煎で温めると、できたてさながらの香りが漂います。自家焙煎のコーヒー豆やハーブティーなどをお好みでチョイスし、朝ごはんにしましょう。

フォカッチャ、キチュリ、お手製ジャム……(幸)

フォカッチャには、昨日「宿舎の売店」で購入しておいた、朗さんのお母さまお手製ジャムをつけていただきます。噛みごたえのあるもちもちとした食感と、ほのかな塩気に、季節のフルーツジャムがマッチして、チルドと思えない本格的な朝食に。

中でもお気に入りは、インド風スパイス粥のキチュリ!スパイスを使用していますが、刺激は一切なく、やさしく消化を促してくれる、朝食にピッタリの味付けです。飲み物のように食べてしまいました(笑)。お酒を飲んで帰った夜の〆に食べる人もいるんだそう。納得です。

暮らすように泊まる体験を、刈水で

あっという間にチェックアウトの時間になってしまいました。

諸山宿舎のコンセプトは「小浜温泉に暮らすように泊まる」。1泊2日の滞在でしたが、それでも街の空気を肌で感じることができ、どこか懐かしい気持ちで満たされました。帰る頃には、こんな場所に住んでみたいと思ってしまうほど。

これまで日帰りで訪れることが多かった小浜温泉街の1泊2日旅。心豊かになる滞在を、ぜひ体験してみてください。

この記事を書いた人

カマサキことぐらし 
#ナガサキタビブ 部員(公式ライター)

メジャーどころからニッチな穴場までご紹介します!
長崎出身のカメラマンの夫と、県外出身のライターの妻&白いもふもふの犬マル。2人&1匹の「気になる」スポットやお店、見逃されがちな「いい!」を発信します。長崎の美しい自然や美味しいごはん、そしてあったかい人たちが大好きです。
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