【長崎のお正月の習わし】七つの山を参る「七高山めぐり」に行ってきた!
江戸時代、長崎のお正月の1月2日〜15日ごろまでに、長崎市中心部の七つの山を一日でめぐる「七高山(しちこうさん)めぐり」という習わしがあったそうです。
その七つの山とは、金比羅山、七面山、烽火山、秋葉山、豊前坊、英彦山、愛宕山。
現在でも、正月の風物詩として七高山めぐりを「登り始め」に楽しむ登山愛好家も多いです。
愛宕山の代わりに岩屋山に登ってもいいそうですが、今回は基本の七高山をめぐってきました!
お正月はぜひ長崎の七高山めぐりに出かけてみては?
後半には、カマサキおすすめコースの紹介もしているので、七つめぐるのは大変だと思う方もチャレンジできるかも!?
(結構ハードだったので、わたしは二日に分けました。)
掲載日:2022年12月26日
ライター:ことぐらし
【七高山めぐり(1日目)】諏訪神社から金比羅さんへ
長いコースなので、さくさくと紹介していきますね。
諏訪神社からスタートして金比羅山(こんぴらさん)へ
街中にあるお諏訪さんから山登りのスタートなんて、坂の町・長崎らしいですね。
諏訪神社は初詣にも人気の場所。
お参りして、登山にレッツゴー。
長崎公園を通り抜け、六角道を登り、ずんずん坂の上へ。
立山公園を左手に過ぎ、住宅街の中へ進んで行きます。
そうすると、金刀比羅(ことひら)神社の鳥居がお出迎えしてくれます。
金比羅山は身近な山登りとしても人気の山なので、道に迷うことはないはず!
登山道入口まで路線バスでも行くことができますよ。
金刀比羅神社
鳥居から金刀比羅神社まではすぐ。
階段を抜けると神社が。苔がきれいです。
金刀比羅神社の手前から右上に階段を登っていくと、琴平神社があり、ユニークな狛犬がありますよ。
(今回は行きそびれました…泣)
神社を抜けると開けた広場が。
こちらで野球を楽しんでいる方たちもいました。
この広場の上にはドンク岩(ドンク=長崎弁でカエル)があります。
まだ頂上ではありませんが、座って写真撮影。
なかなか頂上らしい写りに満足。
さ、ここからまた山登り。
金比羅山はそれほど高い山ではないので登りやすいです。
登山客も多いので、道もわかりやすいですよ。
金比羅山頂上へ到着!
水分補給もしながら頂上へ到着。
頂上からは長崎港と女神大橋が見下ろせます。
頂上から奥へ進むと、金刀比羅神社にジョン万次郎が参拝していたとの記載が!
西山ダムと片淵近隣公園
金刀比羅神社から下りていきます。
ここから先は、登山客も少ないのか道も荒れていたり、傾斜が急な場所もあるので気をつけて進みましょう。
道が分岐する場所が多くなるので、標識やテープを目印に進みます。
道に迷わないよう、登山前に登山アプリをダウンロードしておくのがおすすめですよ。
この日は落ち葉が多くすべりやすかったので、ケガにも気をつけて。
降りきったら、宝生密寺を通り過ぎ、西山の道路に出ます。
ここは普段あまり歩行者が通らない場所で、車側も歩行者を想定していない(スピードが出ている)ことがあるので、道路横断は気をつけて!
西山ダムを通り、片淵近隣公園へ向かいます。
片淵近隣公園は自動販売機とトイレがあるので休憩もできます。
公園内の野球ネットが張っているところの脇からまた山道へ。
七面山(七面大明神)
登山道を進みはじめると、健山(たてやま)・烽火山(ほうかざん)方面との分岐地点があります。
烽火山も今回の目的地ではありますが、先に七面山に回るので、この分岐はスルーしてまっすぐ進みます。
事前に片淵近隣公園で会った登山客の方が「七面山の紅葉はすごかったですよ〜」と教えてくれていたのでワクワク。(参考取材日2022.12.10)
ちなみに七面山という名前、七面山妙光寺の山号なので、山頂はなく七面大明神の本堂が今回の経由地点。
本堂までは比較的起伏の少ない道なので、ハイキング気分。
最後の階段がきついですが、ここはひと頑張りです。
口コミどおり、とってもきれいな紅葉にキツさを忘れて、みとれてしまいますね!
モミジにイチョウ、赤と黄のカーペット♪
写真を撮ったら、次へ向かいますよ。
階段をおりずに本堂から奥へ進むと、また登山道へつながります。
烽火山と秋葉山(秋葉権現神社)
ここからが七高山めぐりの一番の難所。
烽火山(ほうかざん)です。
登りは結構急で、ところどころロープを張ったところもあります。すべらないよう注意して。
この日、登山靴じゃなくてジョギング用のスニーカーで来てしまったので、よくすべりました。
街からすぐ登れる山ですが、靴をはじめ、登山スタイルは万全に。
息を整えながら登っていきます。
尾根に出たら、思わず安堵。
でも、尾根から最後の登りがあるんですよね。
烽火山の頂上には、名前の由来となった烽火台があります。
江戸時代に外国船の入港を通報していたんだそうです。
頂上からは、たしかに長崎湾の入り口が見えます。
だいぶ日がかげってきたので、急いで下山。
頂上からすぐに何本か分岐があるので、違う道を降りないよう注意。
下り道の途中にあるのが、秋葉権現(あきばごんげん)神社(秋葉山)です。
そこからさらに下ると戸隠(とがくし)神社も。
道も岩がごろごろとしているので、気をつけて。
道路まで降りると、隠れた紅葉の名所として知られる妙相寺(みょうそうじ)があります。
こちらの紅葉もきれいでした。一日目はここで終了。
【七高山めぐり2日目】豊前坊(飯森神社)
2日目は本河内の十一面観世音大士堂から豊前坊・英彦山(ひこさん)へ登っていきます。
階段の途中に「彦山」や「豊前坊」の看板があるので頼りに。
金網で作られたイノシシよけのゲートを抜けて、登山道へ。
豊前坊(ぶぜんぼう)へは、倒木なども少しあるものの、道が広く歩きやすい。
起伏もそんなにきつくないので、楽しみながら登って行けます。
途中、岩倉大明神の鳥居も。
さらに登ると、豊前坊下虚空蔵堂と豊前坊上不動堂との分岐があるので、虚空蔵堂(こくぞうどう)方面へ。
こちら、岩盤がくり抜かれて祠になっており、そのスケールの大きさは圧巻。岩の隙間からは空と緑も見えます。
では、このコースではじめて来た道を引き返しますよ。(と言ってもほんの少しだけですが)
ハートの石と幻想的な階段が◎
先ほどの分岐に来たら、豊前坊上不動堂(飯盛神社)へ登っていきます。
学業にご利益があるそうです。
飯盛神社神社の階段は、苔むしていてなんとも深淵なたたずまい。
この階段が幻想的で、このコースイチのお気に入りスポット。
階段には、ハートの石も埋まっていますよ。
英彦山
飯盛神社の裏にある駐車場(飯盛神社は車でもアクセス可能なんです!)に出たら、右側の小屋を抜け、また山道へ入ります。
ここから英彦山への登山スタート。
竹林を通り、こちらもそんなに難しくないコース。
途中、左手にある開けたスポットでおやつ休憩。
田手原(たでわら)側の展望が見られて、気持ちいい。
休むとすぐ体が冷えてしまうので、また歩きます。
そして、不意に訪れる英彦山の山頂。
山頂には、絶景スポットの看板があるので、もちろん寄る!
事前調査では、「ここが長崎市内で一番好きな展望所」という人もいたので期待大!
長崎市内が広く一望できて、すごい!
長崎の起伏ある町に家がびっしり立っているのを上から眺めるような感じ。
目の錯覚で、長崎の町が平面のように見えます!
この日はちらほら雨模様だったので、それだけが悔やまれます…。
英彦山から降りる途中、生活道を抜け、藪の中に入っていくポイントがありますが、ここから入ると狭く荒れているので、通り過ぎて奥の竹林から中に入るのがおすすめ。
二つの道(藪から&竹林からの2ルート)が合流する地点にも、書き残しあり。
白木の道に出て、愛宕方面へ。
愛宕山
愛宕山(あたごやま)登山口の標識を目印に、登山道方面へ。
途中、道行く方が「あっちが登山道ですよ」と教えてくれました。
いつも優しい長崎の人。
階段を登って登山道へ到着ですが、すでに階段でダメージが…。
長崎の坂の町に暮らす人の足腰が強いという理由がわかります。
愛宕山は山頂までの距離はそんなにないのですが、階段が多い=傾斜が急ということなので、またゼェゼェと。
頂上には、神社や祠、お堂がぐるっと一周あります。
中には伊吹元五郎(いぶきもとごろう)と書かれた石像がありましたが、顔がなくなっていました。
帰って調べてみたら、長崎市出身の大日本帝国陸軍軍人で衆議院議員でもあった、長崎ゆかりの人物でした。
愛宕山から降りる階段は、ずっとまっすぐ続いて見えるので注意。
途中の鳥居を過ぎて、右に折れるのが今回のコースです。
すぐに風頭(かざがしら)の生活道に出ます。
風頭公園
七高山めぐりもラスト。
ホテル矢太樓の入り口を通過して、住宅街を抜け、風頭公園へ。
風頭公園の入り口には、長崎ハタ資料館もあります。
公園は、きれいに整備され、眺望も良いのでここだけ訪れるのもおすすめ。
公園内には風頭大権現や坂本龍馬像もあり、観光気分。
展望台からの風景も見逃せませんよ。
付近には、亀山社中跡や龍馬のぶーつ像もあるので、少し遠回りして見て回ることもできます。
風頭の地域の人が作った手書きの看板も、真心こもっていますね。
若宮稲荷神社
最後の若宮稲荷神社にやってきました。
赤い鳥居が並ぶこちらの神社は、秋にとり行われるお祭り「竹ン芸」でも有名です。
また、境内にある坂本龍馬像は、さきほど見た風頭公園のものの原型となっているんですよ。
龍馬ゆかりの若宮稲荷神社、ぜひ訪れてみては。
若宮稲荷から下りる階段は、とても清々しい気持ちでした。以上、七高山めぐりに行ってみたレポ!でした!
【おまけ】一高山なら金比羅山!ハーフ七高山なら南側三つ!
七高山めぐりを全部回るのは難しい方におすすめしたいコースは……
①ひとつの山だけなら「金比羅山」!
ルートもわかりやすく、休憩スポットもあり、見晴らしもいい!
登山客も多いので、安心感があるのもいいですね。
早朝登れば、初日の出も見られそうです。
秋に行くなら「七面山」の紅葉もほんっとにおすすめです!
②半分だけ回るハーフ七高山なら、「豊前坊・英彦山・愛宕山」!
(つまり、わたしたちの2日目のルートです)
豊前坊のダイナミックな自然とファンタジックな階段、英彦山のビュー、最後の風頭公園周辺の観光スポットも楽しめます。
そんなにキツい箇所もなく、長崎の人々の暮らしも知れるので、バランスのよいルートだと思います。
ではでは、ぜひお正月は七高山へ行ってみてくださいね〜!
(最後に、1日目の登山後、立山から見えた夕焼けと街明かりがきれいだったのでペタっと)
今回訪れた場所
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この記事を書いた人
#ナガサキタビブ 部員(公式ライター)
メジャーどころからニッチな穴場までご紹介します!
長崎市琴海在住の主婦ブロガー。結婚を機に長崎県へ引っ越してきました。趣味はDIY、園芸、料理、登山・野山散策など。見逃されがちな「いい!」を県外出身者目線で発信します。