400年の歴史!長崎市・古賀のうつくしい日本庭園でこころ洗われる小旅行を。
長崎市の古賀は、400年の歴史を誇る植木の里。
古賀といえば、例年、年に2日のみ一般公開される「迎仙閣(ぎょうせんかく)」が有名で、公開時期には県内外からたくさんの観光客が訪れるほどです。
一方で、「迎仙閣」以外にも美しい庭園が数多くあるのが、植木の里・古賀の魅力。地区内には造園業を営むお宅が何軒もあります。
中にはご自宅のすばらしい日本庭園を公開していたり、日本一のラカンマキを見られるお家まで。
今回は、そんな古賀の美しい日本庭園をめぐってきました。
もうすぐ紅葉の季節。古来からの美や匠に心洗われる一日を、古賀で過ごしてみませんか?
掲載日:2022年11月14日
ライター:ことぐらし
散策のスタートは長崎市植木センターから。
長崎市植木センターの駐車場に車を停めることができるので、ここを拠点に散策をスタート!
古賀地区内の散策道は狭いところもたくさんあるので、くれぐれも路駐はしないでくださいね。
(駐車場はかなり広いので、たくさんの台数が停められます)
植木センターで散策マップをもらって、歩いてめぐります。
一般のご自宅を公開されているところも多いので、お庭に立ち入る時は挨拶など一声かけてから入りましょう。
植木センターのお庭も見逃せない!
植木センターの敷地内にも美しい庭園が広がっており、散策のはじまりにはうってつけ!
樹名板がのついている木もたくさんあるので、木の名前の勉強にもなりますよ。
センターの側道もどこか庭園のエントランスのように見えてきます。
造園業の多いこの地区では町の緑もよく管理されているんだなあとしみじみ。
橋をわたって古賀めぐりへGO!
植木センターの駐車場から橋をわたれば、いよいよ散策のスタート!
ちょうど目の前には趣のある土の塗り壁のお宅があります。
こちらはマップに載っていなかったお宅なので、外から見せていただくだけにしました。
塗り壁がとってもすてきで、歴史を感じます。
そこから道にかかる紅葉がすこし紅葉していて、色のグラデーションがすごくきれい。
歩きながら町をめぐると、思わぬところにきれいな紅葉や庭園が見えたりと発見があるので楽しいですよ。
長崎市在住のわたしですら、小旅行しているような気分になるこの町。
町全体が巨大な日本庭園みたい!
古賀めぐりをしているとあちこちにすてきなお庭があるので見とれてしまいます。
たくさん木々が植えられているけど、どれも窮屈そうではなくのびのびと育っていて、丁寧に管理されていることがわかります。
まだまばらな色付きの紅葉の、みどりやオレンジや赤の葉っぱ越しに降り注ぐ木漏れ日のなんときれいなこと…!!(コモレビスト萌えポイント)
散策道では、急須みたいに刈られたマキがあったり、大人の身長の三倍ぐらいありそうな高さの生垣があったり。
庭師さんの技術や遊び心に目移りしながらの散策はとてもたのしいです。
木をよく知って木と心が通っていないと、できない作業ばかりなんだろうな。
(写真のお家は、どれも散策道から見える範囲で楽しみました。)
通り沿いからでもやっぱりすごい。【迎仙閣】
きょろきょろしながら歩いていると、ひときわ広い敷地にきれいな紅葉のがある邸宅が見えてきました。
これが、噂の「迎仙閣」!
毎年日にち限定で一般公開される日本庭園(2022年の公開日は11月26日・27日の2日間)で、
長崎県の紅葉の名所としてとても有名な場所。
散策道沿いから見えた紅葉はやっぱりすごい。
中から見ると、圧巻の景色だろうな。
公開時期以外は、門から先の一般の方の立ち入りはできないので注意してくださいね。
極上の日本庭園に招かれて。【雄光苑】
しばらく行くと、散策道の矢印がお庭の中へ続いている場所へ!
「え、ここ入っていいのかな?」と不安になりながらお邪魔したのが「雄光苑」。
古賀地域の数ある美しい庭の中でもひときわ見事なこちらの庭園。
じつは、現在の植木組合長さんのお宅だそう。
あいにくこの時はどなたもいらっしゃいませんでしたが、こんなにも植木の近くを通らせてもらえるなんて、ご親切にびっくり!
後日、あらためてお電話にて確認すると「木に対して無茶なことをしなければ、全然構いませんよ」と快いお返事をいただきました。
以前は、長崎さるくのコースにもなっていたようですが、ここしばらくは開催されていないとのこと。
「さるく以外の個人の方にもぜひ見ていただければ」と話してくださいました。
雄光苑の敷地内には十三重の塔もありますので、こちらも見所です。
日本一のラカンマキを眺める。【赤瀬邸】
つづいて目を奪われたのは、大きなラカンマキ!
古賀のシンボルと言ってもいい、その立ち姿は圧巻です。
高さはなんと約10メートル、樹齢はおよそ600年!
剪定整枝されたラカンマキの中で日本最大のその雄大な姿は神々しくも見えます。
こちらのラカンマキから挿し木をして、多くの植木がこれまでに生産されているそう。
母なるラカンマキ、ますますすごい。
たまたま東屋にいらっしゃったお母さん方のうちのお一人が、こちら赤瀬邸の方でした。
わたしたちにも「見られることで、また木は大きくなりますから、たくさん見てください。そしてたくさんパワーをもらってください」と声をかけていただきました。
うつくしい日本庭園とこのラカンマキ、そして元気なお母さん方から、たくさんパワーをもらう一日です。
日本庭園の中に植えられたお花もかわいい。【茂樹園】
赤瀬邸の道向かいにあるのが「茂樹園(せいじゅえん)」。
こちらの庭園もきれいに手入れされていて、とてもうつくしいです。
自然を生かしながらつくられる日本庭園を見ていると、しずやかな気持ちになります。
茂樹園の植木の下にはお花も植えられていて、植木が足元までおしゃれをしているみたい。
季節によって、日の射し方によって、一歩一歩の歩幅によっても見え方が変わるお庭は見ていてあきません。
いたるところに散りばめられた庭師の技術にも注目しながら、そして想像を膨らませながらぜひ歩いてみてください!
PickUp
庭園の鑑賞について
上記の三軒(雄光苑・赤瀬邸・茂樹園)は、庭園鑑賞のため一般の方の立ち入りを許可してくださっています。
個人宅ゆえ、その時々の状況があると思いますので、なにかの際はお家の方に従ってください。
お庭にお立ち入りの際は必ずご挨拶をされるとお家の方も安心されると思います。
すこし足を伸ばして坂を登ると。【恵比寿神社】
ここから坂道をぐぐっと登っていくと、恵比寿神社という神社があります。
この神社の敷地内には、古賀植木創業記念碑があります。
江戸時代、古くは元禄時代(なんと徳川五代将軍の時代!)にすでに植木の記録が残る町・古賀。
幕末には出島を通して、古賀の植木が海外にも輸出されていたといいます。
古賀の職人が仕立てた植木は、当時もきっと海外で称賛され、人々の記憶に残っただろうな。
記念碑を見て、思わず古賀の植木の歴史に思いを馳せました。
まるで地区全体が巨大な日本庭園のような古賀。
そんな古賀を散策し、日本の伝統や美に心洗われる一日を過ごしてみませんか?
今回訪れた場所
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この記事を書いた人
#ナガサキタビブ 部員(公式ライター)
メジャーどころからニッチな穴場までご紹介します!
長崎市琴海在住の主婦ブロガー。結婚を機に長崎県へ引っ越してきました。趣味はDIY、園芸、料理、登山・野山散策など。見逃されがちな「いい!」を県外出身者目線で発信します。