ラピュタやゲドも!?まるでジブリのような世界へ、長崎・対馬まるっと島ごと観光で!
天空の城ラピュタやとなりのトトロ、もののけ姫など、子どもの頃から何度も観たジブリ映画。ジブリ映画と一緒に大きくなったという人も多いですよね。
ノスタルジックでファンタジーなジブリの世界は幼心にとても魅力的で、その世界に行ってみたいなと夢見た方も多いはず。
大人になった今も憧れはあるものの、ジブリの舞台になった場所って日本中、そして世界中に散らばっているので、なかなか行けない…。でもでも、ジブリのいろいろな作品の世界観をひとつの島の中で満喫できる場所がありました!それは、長崎県の離島・対馬です。
今回は、対馬に散らばった「まるでジブリ!」のような観光スポットをまとめてみましたので、ぜひご覧ください。
写真を見て耳をすませば、きっとあの心に残る名曲が聞こえてくるはず。
掲載日:2022年01月18日
ライター:ことぐらし
まるで「となりのトトロ」in対馬!どんぐりから育った原始林は圧巻!
まずは「となりのトトロ」!
まるでトトロ!な世界が広がるのは、対馬にある龍良山(たてらさん)。
この山は、対馬独自の天道信仰の聖地として立ち入りが禁じられ、長きにわたって人の手が入らなかったことで、縄文時代からの原始林が現在まで残っている非常に貴重な場所です。
ふかふかの落ち葉とどんぐり、立派な大人の木とまだまだ幼い木の間を歩くと、山や林がどうやって育っていくのかがよくわかります。
大木と幼木とが入り乱れる様は、まるで庭に埋められたどんぐりをトトロがぐんぐん成長させる、あのシーンのようです。
原始林を散策していると、龍良山のシンボルツリーとなっているスダジイの大木に出会います。
目印は、立派な板根(ばんこん)。板根とは、大きな木を支えるため根と幹の間が板状に発達したもの。
これほど大きく育ったスダジイだからこそ見られるものなので、ぜひじっくり観察してみて。
このスダジイの根本には大きな穴が空いていて、覗き込むと「もしかしてこの木の下にトトロが眠っているかも?」と思えてきます。
メイもこんな穴に落っこちて、トトロと出会ったのかな、と空想するのも楽しい。
龍良山原始林は、高低差があまりなく歩きやすいので、登山初心者の方も十分楽しめます。
一方で、登山道が分かりづらく迷子にもなりやすいので、目印となるテープを辿りながら歩くのを意識してくださいね。
まるで「もののけ姫」in対馬!苔むした倒木や岩に現れるコダマに出会いそう!
龍良山では、「もののけ姫」のような風景や世界観に出会うこともできます。
裾野の龍良山原始林を抜け、ゆるやかな傾斜の登山道を登っていくと、沢が枯れたのか、苔むした岩がごろごろと転がる場所が現れます。
まるで、アシタカとサンが初めて出会った沢や、シシガミのいる森の中のようです。
苔が生え朽ちていく倒木には、コダマが座って、からからと音を鳴らしていそう。
命の終わりと始まりを描いたもののけ姫の世界観さながらの龍良山で、破壊と再生の神秘に思いを馳せることができます。
岩の多い場所は、足元が不安定で落石の危険もあるので、注意しつつ素早く通ってくださいね。
もちろんトトロやもののけ姫のような景色以外にも、いろいろな発見がある龍良山散策。
倒れた巨木をくぐったり、シンボルツリーに引けをとらない大木がそこかしこにあったり、歩いていて、楽しくてたまらない場所です。
わたしの見つけたとっておきは、今にも喋り出しそうなこの木(スライド三枚目)!
海外のファンタジーアニメにでてきそうな彫りの深いお顔立ちはCGみたい!
登山道を離れずに見られる木なので、ぜひ探してみてくださいね。
まるで「紅の豚」in対馬!360°広がる絶景はさながらアドリア海!?
次は、対馬のちょうど真ん中にある烏帽子岳展望台にやってきました。
ここから見える景色は、まるで「紅の豚」の舞台になったクロアチアの海のよう!
対馬を構成する上島と下島の間に位置する烏帽子岳展望台からは、入り組んだ浅茅湾(あそうわん)を見下ろすことができます。
典型的なリアス式海岸が作り出すポコポコとした島々と入り江の姿はとても印象的です。
紅の豚の舞台と言われるアドリア海は、世界的に見ても浅い海として有名だそう。
「浅海湾」とも表記される浅茅湾と、よく似ています。
ジーナのホテルがある島やポルコの隠れ家はどこにあるのかな?って考えると、どんどんワクワクしてきます。
この空を赤い飛行艇が飛んでいたなら!柵に顎をついて、ジーナのような、それともフィオのような気持ちでポルコを待ちぼうけしていると、なんだか切ない気持ちになりました。
駐車場から階段を5分ほど登れば展望台に着くので、アクセスも良好です。
まるで「ゲド戦記」in対馬!テルーの美しい歌が聞こえてきそう!
「ゲド戦記」と見間違うような景色があるのは、対馬市峰町にある木坂の藻小屋。
肥料用の藻を貯蔵する納屋として使われていた場所で、昔は対馬内に多数あったものの、いまは木坂集落に復元されたこの八棟だけとなっています。
この藻小屋、ゲド戦記の中でヒロイン・テルーがテナーと一緒に暮らしていた石造りの家にそっくり!
周りの物寂しい光景も相まって、中世の異国に迷い込んだかのようです。
テルーとテナーが暮らす家で、ハイタカと主人公のアレンは匿ってもらうんですよね。
テナーと一緒に畑を耕したり、夜はあたたかいスープを飲んだり、テルーの美しい歌を聞いたり…いろいろなシーンの中に自分がいるみたいで感動します。
「ピーヒョロヒョロ」という声に、空を見上げると、高い虚空にトンビが。ほんとうにゲド戦記みたい!
建物の中には、木でできたテーブルと長椅子があり、なんとも叙情的です。当時の対馬の人々の暮らしや生活を今に伝える貴重な文化財なので、ぜひ訪れてみて。
まるで「千と千尋の神隠し」in対馬!神様が温泉に入りに船でやってくるかも!?
まるで「千と千尋の神隠し」!そんな場所も対馬にありました。
場所は厳原町にある対馬藩お船江跡。
ここは江戸時代に対馬藩が使っていた、船の係留や修繕をするドック跡で、鎖国下にありながら朝鮮との貿易を担っていた対馬藩の役割を象徴するような場所です。
これほど保存状態のいい江戸時代のドック跡は、全国でもとても希少だそう。
干潮時と満潮時の風景の違いも見どころのひとつです。
この場所、両親を豚に変えられたあと、来た道を引き返す千尋が川の水に浸かってしまう、あのシーンみたい!
信じられない出来事に驚く千尋がハクと初めて会った、あの風景が思い浮かびます。
夜になると、神様たちが乗った船がもしかしてここに着くのかも。 江戸時代からあるこの場所だからこそ、幻想的でノスタルジックな千と千尋の中にいるような気持ちになります。
まるで「天空の城ラピュタ」in対馬!ロボット兵がいそうな美しい廃墟!
対馬ジブリ旅の最後は「天空の城ラピュタ」!
ラピュタの景色を探してやってきたのは、美津島町にある姫神山砲台跡です。
日露戦争の際に建てられたというこの砲台跡。
当時は戦争中の緊迫した雰囲気だったはずが、いまでは壁の赤煉瓦も緑に覆われています。
ここにいると、まるで空に浮かぶ幻の島・ラピュタにやってきたような気持ちになります。
どこかから優しいロボット兵が一輪の花を差し出してくれそう。
人工物と自然の対比が美しくも物悲しく、映画ラピュタで描かれていた心象風景さながらでした。
時経つにつれ、自然が覆う面積も増え、景色も変わっていくんだろうな。
この時この時でしか感じられない、儚い風景をぜひその目で見てみてくださいね。
以上、対馬×ジブリのスポット紹介でした。
ノスタルジックな対馬で、ジブリのような世界を堪能してみませんか?
今回訪れた場所
Google Mapの読み込みが1日の上限を超えた場合、正しく表示されない場合がございますので、ご了承ください
この記事を書いた人
#ナガサキタビブ 部員(公式ライター)
メジャーどころからニッチな穴場までご紹介します!
長崎市琴海在住の主婦ブロガー。結婚を機に長崎県へ引っ越してきました。趣味はDIY、園芸、料理、登山・野山散策など。見逃されがちな「いい!」を県外出身者目線で発信します。