子どもと一緒に楽しく体験!島原のひんやりスイーツ「かんざらし」手作り体験レポート♪
前回の記事では島原のお雑煮「具雑煮」を紹介しました。
今回は甘いもの♪島原の伝統的なスイーツ「かんざらし」の手作り体験に参加した様子をお伝えします!
具雑煮の記事はこちら↓
掲載日:2023年07月27日
ライター:ACO
かんざらしとは?
「かんざらし」とは小さな白玉を島原の湧水で冷やし、砂糖やハチミツで作った特製の蜜をかけて食べる・・・というシンプルなもの。
ひんやりと冷たくてのど越しが良く、これからの暑~い季節にぴったりのスイーツです。
昨年の夏、家族で初めて島原へ遊びに出かけたときに食べた「かんざらし」がおいしくって手作り体験ができると知り、子どもたちと楽しみにしていたんです。
いざ!「島原名物かんざらし手作り体験」へ
「島原名物かんざらし手作り体験」ができるのは、「しまばら湧水館(koiカフェゆうすい館)」です。
※土日のみ・3日前までの要予約
昭和初期に建てられたお屋敷を活用した古民家カフェで、建物は国の登録有形文化財に指定されています。
手作り体験はお庭の見えるお部屋で。
作り方を教えていただく先生にご挨拶をして、綺麗に手を洗ったらさっそくかんざらし作りに取り掛かりましょう~!
まずは粉からお団子を作ります。粉の種類は白玉粉と餅粉の二種類。
餅粉を入れることで、お団子の弾力が増すのだそう。
軽くかき混ぜ、水を入れます。
そのお水とはさすが水の都、島原!湧水です。
粉がポロポロと小さな塊になってきたところで、ひとつに集めて大きなボールを作ります。
ボールは耳たぶのような柔らかさに・・・ということで、子どもたちは耳たぶを触って確かめていました。
手の平を使ってギュギュっと伸ばします。
先生に柔らかさを確認してもらい、OKが出たらまた丸めてボールを作り、今度はちぎりやすいようにまな板の上で紐状に伸ばします。
先生から「ヘビさんのように長く~」と言われ、楽しそうに伸ばしていました。
さぁ!ここからが本番!
楽しいお団子作り♪
手のひらを使ってくるくる~とまんまるに、直径1㎝くらいの小さいお団子を作ります。
お団子が小さい方が、蜜をかけたときによく絡んでおいしいのだとか。
小さな手で小さなお団子をどんどん作っていきますよ~。
形がふぞろいなのもご愛嬌♪
先生から「ハートやお星さまの形にもしてみようか」との提案に子どもたちは大喜び!
先生に手伝ってもらいながら、かわいい♡と☆のお団子ができました♪
お団子ができあがったら、まな板に乗せたお団子をコロコロ転がしながら沸騰したお湯の中に入れていきます。
通常の白玉団子はお湯に入れて浮いてきたらすぐに上げて大丈夫なのですが、かんざらしのお団子はすぐに冷やすため、お団子が浮いてきたらそのまま1,2分待ってしっかりと中まで火を通します。
これがポイントで、しっかり火を通さないと中が硬くなってしまうのだそうです。
先生がお団子をひとつすくってみて感触を確かめます。
全てすくい終わったら島原の湧水で冷やします。
そして特製の蜜をかけたら・・・
「かんざらし」のできあがり~!!
蜜は綺麗な琥珀色。
ザラメと三温糖、二つのお砂糖を使って作られているそうで材料はシンプル。
作り方は難しくはないけれど、とても時間がかかるため、あらかじめ用意されていた蜜を使用します。
わくわくの実食タイム♪
子どもたちは「これ私が作ったんだよね!」「私が作ったかんざらしモッチモチ!」と
「自分で作った」ということがとても嬉しい様子。
♡と☆のお団子は特に気に入ったみたい。かわいいね♪
蜜は優しく、程よい甘さで飲み干してしまいました。
冷たい島原の湧水もおいしいね!
おいしくて、とっても楽しい「かんざらし手作り体験」となりました。
「しまばらん」もかわいいけど、「かんざらし君」もかわいいね♪
所要時間:30分~40分程度
今回体験した通常の体験プラン(1,000円)の他に、島原守護神の「しまばらん」のグッズが付いた「しまばらんセットプラン(1,200円)」と「かんざらし君」が描かれたオリジナル手ぬぐい(紺色orピンク)が付いた「かんざらし君セット(1,200円)」があります。
※土日のみ・3日前までの要予約
詳しくはこちら
カフェメニューも充実!「しまばら湧水館(koiカフェゆうすい館)」
「しまばら湧水館(koiカフェゆうすい館)」ではカフェメニューも充実しています。(テイクアクトもあり)
かんざらしだけでなく、湧水仕立てのコーヒーや「鯉の泳ぐまち・島原」に因んで、たい焼きならぬ、「koiやき」なんてユニークなメニューも♪
「かんざらし」の歴史は古く、江戸時代、島原市一帯の庶民は年貢として納める米を口にできず、くず米を主食にしており、そのくず米をすり潰して長期保存のできる米粉にして、そのつど調理し食べていたそう。
しかし、夏場は米粉も腐りやすいため、お団子にして湧水のなかで保存し、それを食べる習慣が始まりました。
島原市一帯には1792年(寛政4年)の島原大変による地殻変動の影響で数十箇所から澄んだ地下水が湧きでるようになったこともあり、湧水を活用した生活の知恵でした。
更に、島原市一帯は砂糖の生産が盛んという環境にあったことから、いつしか庶民たちは米粉(白玉粉)の団子と砂糖で作った蜜で冷たい菓子を作り、夏の来客に振る舞うようになりました。それが「かんざらし」の発祥といわれています。
また、「かんざらし」という名前は、原料となる餅米を大寒の日に水にさらすことから「かん(寒)ざらし」と呼ばれているそうです。
この記事を書いている途中、これまで私が書いてきた記事は、大村市の「大村寿司」、「煮ごみ」、島原市の「具雑煮」、今回の「かんざらし」など郷土料理・郷土菓子を取り上げることが多いかも・・・?と気づきました。
先人たちの知恵が詰まっている、郷土料理・郷土菓子を知ることはつまり、その土地を、その土地の歴史を知るということに繋がるからとても興味深く、惹かれるのだと思います。
長崎には私が知らない、食べたことのない郷土料理がまだまだたくさんあるはず。
知りたい、知ってもらいたい!そんな出会いを楽しみに食いしん坊な私の旅は続きます。
いろんな「かんざらし」を楽しもう
島原市内では「かんざらし」が食べられるお店がいっぱい!
蜜の味はお店によってこだわりがあり、レシピが違うので島原を散策しながら食べ比べをしてみるのも面白いのではないでしょうか♪
「かんざらしマップ」を参考にお店をまわるのもオススメですよ!
この記事を書いた人
#ナガサキタビブ 部員(公式ライター)
長崎暮らし新参者の目線で彩りあふれる魅力をふんだんにお伝えします。
平日ひとり旅、週末かぞく旅。旅するように長崎に暮らす2児の母。
カメラ片手に街歩きと食べ歩きが大好き。
東京から福岡、長崎へと西へ西へとやって来て、長崎暮らしはまだまだ新参者。
長崎って面白い!長崎って不思議!
長崎って美味しい!長崎って美しい!
長崎のいちファンとして彩りあふれる魅力をふんだんにお伝えします。