長崎ならではのお雑煮とは?「水の都」の城下町、島原をぶらり
「所変われば品変わる」といいますが、ことわざ通り「所変わればお雑煮変わる」
新年を祝う伝統的な料理であるお雑煮。
では、長崎のお雑煮とはどんなもの?
そもそもお雑煮の話題をなぜ梅雨目前、夏を迎えようとしている今するのか?
それにはちゃんと理由があるのです・・・♪
私の両親は東北出身で私は関東出身。簡単にいうとお雑煮のお汁は「すまし仕立て」でお餅は「角もち」
これが私の中での「お雑煮」だったので関西人の夫と結婚して驚きました。
奈良に住む義母が作るお雑煮は「白みそ仕立て」でお餅は「丸餅」
お汁の色もお餅の形も違うため、こんなお雑煮もあるんだ!?と衝撃を受けたものです。
関西の人が東京のうどんは真っ黒で驚いたというのと同じような感覚でしょうか(笑)
今ではこのお雑煮をいただくことが、お正月に帰省する楽しみのひとつとなっています。
また、奈良では地域によってお雑煮に入っているお餅を取り出してきな粉をつけて食べる、
という風習もあるそうですよ。
長崎に来る前に住んでいた福岡では、あごだしで具材はブリがメイン。
お餅は丸餅でかつお菜(福岡の伝統野菜で漢字では【勝男菜】と書き縁起良し)という葉野菜を入れたり・・・
お雑煮もご当地モノなんですよね。まさにふるさとの数だけお雑煮の味がある!
すみません・・・すっかり前置きが長~くなりましたが長崎のお雑煮の話にまいりましょう~。
掲載日:2023年05月23日
ライター:ACO
長崎のお雑煮とはどんなもの?
長崎のお雑煮ってすごいんですよ!
主に島原地方で食べられているお雑煮は、とにかく具沢山!
「具雑煮(ぐぞうに)」と呼ばれ、郷土料理として親しまれ一年中食べられているんです。
そう!春も夏も秋も冬も!季節を問わず一年中食べられるお雑煮=具雑煮なんです!
それが、今この時期にお雑煮のお話しをする理由です♪
具雑煮の歴史は長く、江戸時代は1637年(寛永14年) 島原の乱。
天草四郎が約37,000人の信徒たちと島原城に籠城した際、兵糧として餅、山の幸、海の幸、いろいろな材料を集めて作らせたことがはじまりといわれています。
お正月に限らず具雑煮を食べられるお店が何軒もあり、島原名物となっています。
その元祖だといわれているのが、島原城のすぐそばにある「元祖 姫松屋本店」
1813年(文化10年)創業、200年以上の歴史がある老舗です。
さぁ、ご覧ください!これが島原のお雑煮「具雑煮」ですよ~!!
お椀ではなく土鍋!!
蓋を開けてみると・・・湯気とともにお出汁の良い香りが広がって
うん、具雑煮といわれる所以がわかるような・・・
具材がぎっしりとこんなにも!本当にお鍋の感覚です。
カツオ出汁にお醤油を合わせた黄金色のお出汁に様々な具材の旨味が加わって
思わずふわぁ~と声を漏らしてしまう。おいしい~。
お出汁がしみしみとしみ込んだ具材がまた最高です。
なるほど、これはお正月だけではなく定期的に食べたくなってしまいますね。
なんと具材の数は13種類!
春菊・丸餅・鶏肉・焼きアナゴ・シイタケ・薄焼きの卵焼き・凍豆腐・ちくわ・3種のかまぼこ・レンコン・ごぼう・しろ菜(島原の特産品)
次は何が出てくるのかな~?と食べ進めていくのも楽しい。
おつゆは気づいたら飲み干してました♪
島原は雲仙岳の伏流水が湧き出ていて、古くから「水の都」と呼ばれていますが
お店でいただけるお冷も湧水なんです!
これは嬉しい~!
私がお店に伺ったのは、休日でお花見の時期でもあったので混雑しており多少待ちましたが
席数が220席と多く、思ったよりも早く席に通してもらえました。
店内にはテーブル席の他、小上がりの席もあり小さなお子様連れでも安心です。(我が家然り♪)
駐車場も広く、鉄道でも島原鉄道「島原駅」より徒歩10分ほど、島原城のお向かい、と立地も良し。
お店の隣にはお土産物屋さんが併設されており、島原のお土産がたくさん並んでいました。
待合室としての利用もできます。
お土産屋さんで具雑煮をおいしそうに食べている島原の守護神「しまばらん」を発見!
「しまばらん」は島原のイメージキャラクターで、デザインされたのはなんと!
あの「妖怪ウォッチ」の作者の小西紀行先生!島原市ご出身なのだそうです。
なんだか愛嬌があってかわいいですよね♡
腹ごしらえの後は、島原城へ!
具雑煮でお腹いっぱい、パワーをチャージしたらその勢いで島原城の天守閣に登ってみるのもオススメです。
(島原城にエレベーターはありません!)
天守閣の展望所からは海と山とを一望できて、とても気持ちがいい~!
島原の歴史ある街並み、眉山や有明海の向こうには熊本の山々まで見渡せます。
城内にはキリシタン史料、郷土史料、民俗史料などが展示されており歴史を学ぶこともできます。
鯉の泳ぐまち、島原を散策
島原のまちを歩いていると、水路を泳ぐ鯉に目が留まります。
地域の町内会の方々が町を流れる清冽な水路を生かしたまちづくりと子どもたちの
豊かな心を育むために鯉を放流したのが始まりで、今では「鯉の泳ぐまち」といわれ
島原の見どころの一つとなっています。
割と鯉は見慣れている我が子たちですが、池ではなく道路脇の水路を泳ぐ鯉の姿は新鮮に映ったようで、
水路に沿って追いかけてみたり、手をたたいて鯉を呼んでみたり・・・
「この鯉さんたちとってもキレイ!」と長女が言ったのですが
きっといつも見ている鯉も綺麗なんだけど、一切の濁りもなく透き通る美しい水だからこそ
鯉がより綺麗に見えたんだろうな♪
水の都、島原には「湯」もあり!
水の都、島原には温泉もあるんですよ~!
島原城から徒歩10分ほどの場所に、島原一番街アーケードという商店街があります。
レトロな雰囲気のアーケードです。
商店街を歩いていたら突如現れた「ゆ」の文字!
「島原温泉 ゆとろぎの湯」
商店街に温泉があるなんていいですね~!
お買い物ついでにちょっと温泉とか?うらやましい!
観光客向けというよりは地元の方御用達の公共浴場だと思いますが
暮らすように旅をしたい私にとってはローカルな雰囲気も大好物です。
源泉掛け流しの大浴場、薬湯、水風呂、サウナなどが楽しめます。
薬湯は日替わりで、私が行ったときはピンク色のお湯だったのですが子どもたちの
大好きな色なので大喜びでした。
水風呂も気に入ったようです。
またまた発見!しまばらん♡
島原温泉は特に切り傷、火傷、慢性皮膚病に効果があるといわれています。
また、浴用だけでなく飲用でも慢性消化器病、糖尿病、痛風、肝臓病に効果があり
市内の各所に飲泉所や足湯が設置されています。
ここ、ゆとろぎの湯にも足湯とお飲み湯(飲泉所)がありました。
温泉に入ったばかりなのに、足湯にも入りたいとまた浸かりに行く子どもたち。
温泉、気持ちいいもんね!
ぜひ、島原旅の〆は温泉へ。ゆっくり身体を癒してください♪
まだまだ島原ならではのグルメやスイーツなどもご紹介したいのですが
それはまたの機会に・・・♪
今回訪れた場所
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この記事を書いた人
#ナガサキタビブ 部員(公式ライター)
長崎暮らし新参者の目線で彩りあふれる魅力をふんだんにお伝えします。
平日ひとり旅、週末かぞく旅。旅するように長崎に暮らす2児の母。
カメラ片手に街歩きと食べ歩きが大好き。
東京から福岡、長崎へと西へ西へとやって来て、長崎暮らしはまだまだ新参者。
長崎って面白い!長崎って不思議!
長崎って美味しい!長崎って美しい!
長崎のいちファンとして彩りあふれる魅力をふんだんにお伝えします。