地下壕跡地は驚きの異世界空間だった!!|海軍ゆかりの地を辿る佐世保の街歩きツアー【後編】
日本遺産をめぐるまちあるきツアー「海軍さんの散歩道」に参加したレポートの後編です。
いよいよ、ツアー参加者限定でしか入ることができない海上自衛隊佐世保地方総監部の敷地内へ潜入!
一般の方は入ることができない場所を見学できるなんて、ワクワクします♪
さて中はどんな世界が広がっているのでしょうか…??
前編はこちら↓
掲載日:2023年02月06日
ライター:さやぶぅ( ・38・ )/
海兵団の訓練の場所【⑤海兵団庁舎】へ潜入!
まず最初にやってきたのは、「佐世保海兵団兵舎(総監部内)」。
ここは、九州・四国・沖縄各地から選ばれた海兵団の若者たちが、数ヶ月にわたり教育、訓練を受けていた場所です。
現在も海上自衛隊佐世保基地業務隊庁舎として利用されています。
平成3年までは、この海上自衛隊佐世保基地の敷地内に、戦時中からある煉瓦造りの重厚な建物が残されていたそうです。
自衛隊員達の独身寮を作らないといけなくなり、惜しまれつつ壊されてしまったとのこと…。
今も建物が残っていたら、後世に歴史を伝え、また佐世保が誇る観光施設にもなっていたかもしれない…と考えると、歴史を残していくことはとても大切だと思いました。
普段は道路側からしか見ることができない【⑥渡り橋】を渡って佐世保地方総監部の敷地内へ移動し、まず初めに向かったのは…
旧佐世保鎮守府庁舎があった【⑦佐世保地方総監部の正門前】に到着!
戦後、残っている鎮守府の建造物はこの門だけ。
本当に貴重な日本遺産ですね。
気分は探検隊★佐世保地方総監部内はヘルメット装着の上、見学しよう!
佐世保地方総監部内の見学ではヘルメットを装着!
金曜日限定のプレミアムツアーでは、この建物中にある“護衛艦くらま”の食堂を再現した部屋で、旧海軍時代のレシピを元に再現した「海軍カレー」を食べることができるのでこちらもお勧めです。
このツアー最大の目玉!【⑧地下壕、防空指揮所跡】にいざ参る!!
旧佐世保鎮守府庁舎の地下に建造した“防空指揮所跡”はツアー最大の目玉。
第二次世界大戦中の昭和17(1942)年に造られた建物で、高射砲台の砲戦指揮を行っていたそうです。
意を決して中に入っていくと、ものすごく重厚な鉄扉が現れます。
佐世保空襲で鎮守府庁舎は全焼しましたが、ここだけは被害を免れたそうです。
さらに奥へ進んでいくと、トンネル状の長い通路が迷路のように張り巡らされ、なんだか異世界へ迷い込んでしまったような不思議な感覚に…。
内部はコンクリート基礎のみが残っていて、天井は鉄筋がむき出し。
通路の途中にはライトパネルがあり、当時砲台の砲戦指揮を行っていた“防空指揮所作戦室”の実際の写真が展示されています。
まるで、映画のセットのようですよね。
秘密の作戦会議が行われていた“防空指揮所作戦室跡”へ潜入!
次に訪れたのは作戦室跡。
冷房や暖房の空調など、当時の最新システムも設備されていたそうですよ。
当時ここでは、どんな作戦会議が行われていたのでしょうか…。
実は指揮所や作戦室は、戦後、不審火によって内装が消失してしまいました。
ですが、当時のまま残されていた場所がただ一つあるんです。
それは…
なんと!水洗式のトイレ!!
当時の技術がいかに高度だったのかを示してくれる水栓がしっかりと残っていました。
ちなみに、性別だけじゃなく身分によってトイレの部屋が分かれていたそうです。
当時の人達の平均身長は155㎝。
便器が低い位置にあるのも納得できます。
たくさん歩いた後は、「させぼ自衛隊グルメ」を食べに行こう!
「させぼ自衛隊グルメ」とは、海上自衛隊、陸上自衛隊、海上保安部の各部隊で実際に食べられているカレーを、佐世保市内の飲食店がレシピを元に忠実に再現したグルメイベント♪
20店舗あるさせぼ自衛隊グルメを全部食べると、「ミニチャレンジコインセット」がゲットできるそうですよ★
忘れられない店名「憩いの店久美子と…」
させぼ自衛隊グルメ提供店の「憩いの店久美子と…」で食べられるのは、掃海艇「ひらしま」のレシピを元にしたチキンカレー。
ホロっとほどけるチキンのコク深いカレーが大皿にたっぷりのって登場します♪
名前にインパクトのある店名の正しい読み方は
“いこいのみせ くみこと てんてんてん”。
名前の由来は、お客様とスタッフが「帰りたくない・帰したくない」というどこか切ない感情の余韻を「…(てんてんてん)」に込めているそうです。
アットホームな雰囲気でまるでお家に帰ってきたような安心感。
創業以来45年もの間、愛されている秘訣はここにあるんでしょうね♪
佐世保は軍港の歴史とともに歩んできた港まち。
「海軍さんの散歩道」の街歩きツアーを通して、歴史を学んだ後、改めて佐世保の街を巡ると、これまでとは違った景色が見えるかもしれませんよ♪
今回訪れた場所
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この記事を書いた人
#ナガサキタビブ 部員(公式ライター)
歴史のある古いものと流行にのった新しいもの、どちらの良さも伝えたい!
生まれも育ちも佐世保★地元誌で仕事をしつつ「海風の国」観光マイスターとして活動中♪歴史が"しゅんでる"(方言で染み込んでるの意味)をテーマに、本土最西端の地である佐世保の魅力を新たな視点で紹介していきます!