“海軍ゆかりの地を辿る”佐世保の街歩きツアー★パンフレットに載っていない地元の魅力を体験♪【前編】
佐世保には「佐世保鎮守府」と「日本磁器(みかわち焼)」の2つの日本遺産があります。
佐世保の街は、1889(明治22)年に旧日本海軍が佐世保鎮守府を開庁してから“海軍のまち”として一気に栄えました。
今回、日本遺産をめぐるまちあるきツアー「海軍さんの散歩道」に参加してきました。このツアーでは、自衛隊OBのガイドさんが、自身の体験談を交えながら、鎮守府時代の名残が残る佐世保の街の歴史を楽しく学べます♪
普段は入ることのできない海上自衛隊佐世保地方総監部や、ガイドブックには載っていない貴重な話を豆知識としてご紹介します!
掲載日:2023年02月06日
ライター:さやぶぅ( ・38・ )/
佐世保市民文化ホール(旧海軍佐世保鎮守府凱旋記念館)からスタート!
このツアーは、海軍を表す桜と錨がマークが施された「佐世保市民文化ホール」から旅が始まります。
受付後に、ガイドの解説を聞くイヤホン付きのスピーカーを渡されるので、聞き逃しのないようしっかり装着しましょう!
今回案内をしてくださったのは、海上自衛隊隊員歴35年の赤﨑さん。
宮崎県出身の赤﨑さんは、19歳の時に自衛隊員として佐世保へ移住し、現在は海上自衛隊OB会メンバーとして様々な街歩きのガイドを10年間もされているそうです‼
自衛隊時代の体験談やパンフレットに載っていない佐世保の魅力をたくさん教えていただきました。
さぁ、中へ入って見ましょう!
戦後、ネオンが輝く映画館だった!?【①旧海軍佐世保鎮守府凱旋記念館】
この建物は、1923(大正12)年に第一次世界大戦の凱旋記念館として建設され、2023年で100年を迎える佐世保の国登録有形文化財です。
戦後は米海軍がダンスホールや映画館などに使用し、当時はネオンが輝きとっても賑やかだったそうです。
1982(昭和57)年からは、市民がイベントや発表会、習い事の場所として利用できる文化ホールとして使われています。
2階には、軍港都市・佐世保の誕生秘話や、佐世保空襲時代について知ることができるパネルがズラリと並んでいて、凱旋記念館に関する歴史をより深く知ることができます♪
こちらの見学は無料です。
外観がレトロで美しく、撮影スポットとしてもオススメですよ♪
次に訪れたのは、海軍さんの憩いの場【②旧海軍下士官集会所跡】
佐世保市総合医療センターの駐車場の前にある「旧海軍下士官集会所跡」と書かれた記念碑へやってきました。
かつてここには、下士官兵の疲れを癒す慰労休養施設があり、建物の中には風呂場や理髪所、柔剣道場や相撲場もあったそうですよ♪
PickUp
豆知識①‼下士官兵とは?
アメリカ軍では階級によって上下関係や指揮系統を
(1)士官(2)准士官(3)下士官・兵
の3つに分けていたそうです。
身分の高い(1)士官の人達の慰労休養施設は、後ほどご紹介するセイルタワーの場所にあったそうです。
海軍さんが渡っていた【③佐世保橋】では、昔全国的なデモがあった⁉
記念碑のすぐ隣にある佐世保橋は、海軍構内と市街地を結ぶ橋だったことから、戦時中は「海軍橋」といわれていたそうです。
制服姿の海軍さんたちが、ここを渡っていたのでしょうね。
ここでは、1968(昭和43)年に通称「エンプラ闘争」という全国的なデモがありました。
原子力ミサイル巡洋艦を乗せたアメリカ海軍の原子力空母「エンタープライズ」の寄港阻止を掲げ、全国から集まった学生たちと、その騒動を阻止する警官隊が衝突した事件です。
催涙ガスや放水が飛び交い、多くの逮捕者・負傷者がでました。
国際通りの浜田公園には、昭和14年に建設された橋の欄干の一部がモニュメントとして残されています。
凱旋記念館(市民文化センター)で見た“桜と錨”のマークが海軍さんの歴史を物語っていますね。
PickUp
豆知識②‼国際通りの由来とは?
戦後、佐世保に米軍基地ができたことにより、この通りには、外国人BARやお土産を販売する店がズラーッと並んでいました。
この通りの近くにある三ヶ町アーケード周辺にも200を超える外国人BARがあり、自然と国際交流ができる異国情緒溢れる通りだったそうです。
その名残は今も健在していて、今は10件ほどのBARが営業しています。
海上自衛隊の歴史を体感できる史料館【④セイルタワー】へ!
ここは、日本海軍や海上自衛隊の歴史を学べる史料館で、誰でも無料で入館できます。
この建物は海軍士官の集会所であった「佐世保水交社」の一部を、修復して建てられています。
2017年3月で現役を引退した護衛艦「くらま」の錨が目印です♪
7階には佐世保の街並みや港が一望できる展望ロビーが!
セイルタワーの見学は7階からスタートしますよ♪
エレベーターから降りると全面ガラス張りのパノラマが!
佐世保市街地を遠くまで見渡せたり、港の方には艦艇も見え、佐世保ならではの景色を楽しめます。
7階には、映像ホールもあり、「海上自衛隊たちの日常訓練」や「災害時の活動日本海軍の設立から歴史」をまとめた2本の映像が、1日7回に分けて上映されています。
6階から4階の旧日本軍の軌跡の展示、3階と2階の海上自衛隊の展示、1階にある企画展示のスペースを見学しながら降りていきます。
「面舵いっぱい!」護衛艦「くらま」の操舵室を再現した展示スペースで海軍さん気分♪
海上自衛隊の今を知ることができる3階の展示スペースには、「くらま」の操舵室を再現した体験型のブースがあります。
中は、実際に操舵室から見える景色が写しだされていて、このブースは子ども達にも人気のスポットだそうですよ★
撮影はできませんでしたが、他にも精巧に作られた艦艇模型の展示や自衛隊の制服やバッジの展示、映像コーナーもありました。
2階は海上自衛隊の史料の他に、海上自衛隊のことをゲーム感覚で楽しく知ることができるコーナーが2つあります。
1つは実際の港の風景の中を自分で操縦して進んでいく「操作シュミレーター」。
もう1つは海上自衛隊と日本海軍に関するクイズに答えていく「Q&Aコーナー」。
体験ツアーでどのくらい知識が付いたのかここで試してみるのも面白いかもしれませんね♪
今までセイルタワーは、自衛隊に関する書籍などがたくさんあるイメージでしたが、友人同士、家族でも楽しめる体験型のコーナーや展示があることを、このツアーで初めて知ることができました!
休日のお出掛けも充分楽しめると思いますよ★
次の見学場所へ向かう途中に、佐世保のソウルフード「佐世保バーガー」発祥の名店といわれる「ヒカリ」の看板が見えました。
当時、お店の正面には米海軍基地ゲートがあり、そこの関係者に勧められて1951(昭和26)年にハンバーガー専門店を始めることになったそうです。
休日には県内外からの観光客が殺到するほどの人気店!
ちなみに、佐世保バーガーが楽しめる店舗は市内に全部で25店舗以上あります。
(私が個人的によく利用しているのは、白岳町にある「Kayaバーガー」です♪)
後編では、ツアーでしか入ることができない、海上自衛隊佐世保基地の敷地内のご紹介をします★
今回訪れた場所
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この記事を書いた人
#ナガサキタビブ 部員(公式ライター)
歴史のある古いものと流行にのった新しいもの、どちらの良さも伝えたい!
生まれも育ちも佐世保★地元誌で仕事をしつつ「海風の国」観光マイスターとして活動中♪歴史が"しゅんでる"(方言で染み込んでるの意味)をテーマに、本土最西端の地である佐世保の魅力を新たな視点で紹介していきます!