口之津、そして天草へ(後編)
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掲載日:2021年01月26日
ライター:GO!GO!ともっち
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長崎県 島原半島の南端「口之津」から熊本県の「天草」へ
長崎県 島原半島の南端「口之津」から熊本県の「天草」へ。
フェリーで早崎海峡を渡り、ぶらりと日帰り旅に出かけました。
島原半島を縦断する国道389号は、海を越えて天草に繋がっています。
(⇒前回の記事はこちら)
口之津港から鬼池港までは島鉄フェリーでたったの30分。
この日は雨でしたが、天気が良ければ船に伴走する人懐っこいイルカに出逢えることも。
遠くに天草が見えてきました。
PickUp
天草ちゃんぽん
天草(鬼池港)に着いたのは、ちょうどお昼時。
この日のランチは念願の「天草ちゃんぽん(600円)」です。
「ちゃんぽん」といえば長崎がメッカですが、その食文化は長崎と海上ルートを通じて繋がりの深かった、天草にも伝播し、今もなお、地域の胃袋を豊かに彩っています。
お邪魔したのは、鬼池港から車で15分ほど走った苓北町にある、昭和28年創業の老舗「角屋(かどや)食堂」。
気さくなご主人の話によると、かつて天草北部は熊本よりも長崎との方が買い物などで交流が深かったのだとか。
昭和20年、長崎市の浦上地区に生まれたご主人は生後2ヶ月で被爆。
父親は勤務先の三菱造船所で被爆死、他にも4人の身内を原爆で亡くしたそうです。
戦後は天草に引き上げましたが、縁あって天草との航路がある長崎・茂木の飲食店から「ちゃんぽん」の作り方を習い、昭和28年に天草の地で創業したのだとか。
スープは豚骨と鶏ガラで丁寧に採った長崎風ですが、たっぷりかかった胡椒のスパイシーさと椎茸の上品な香りが同居しているのが印象的。
麺や野菜などの材料は、船便で運ばれてくる島原半島産のものを使用しています。
具材は一般的な長崎ちゃんぽんと比べると、蒲鉾が多めな印象。
天草ではかつてアジが大量に獲れていたので、アジカマボコを入れるのが一般的だったという話も。
「昭和50年に天草最後の炭鉱だった志岐炭鉱が閉山したあとは町がめっきり寂しくなったけど、いつもの常連さんが食べに来てくれるとが生きがいです」と話すご主人の笑顔に、また会いに行きたいと思います。
※追記:ご主人の体調不良のため、2021年3月末を以て歴史に幕を閉じるとのご連絡をいただきました。
PickUp
角屋食堂(かどやしょくどう)
〒863-2503 熊本県天草郡苓北町志岐59
電話:0969-35-0163
※追記:ご主人の体調不良のため、2021年3月末を以て歴史に幕を閉じるとのご連絡をいただきました
富岡城跡
岬の突端の小高い山の上に立つ、富岡城跡に立ち寄りました。
島原・天草一揆といえば、最後の激戦地となった長崎県島原半島の「原城(世界遺産)」が有名ですが、ここ「富岡城」は戦いの初期に一揆軍が攻めた幕府側の拠点。
当時の城代を討ち取るも城を落とすことはできず、一揆軍は島原へ。
しかし島原城も落とすことができず、廃城となっていた原城に立て籠もり、88日間の壮絶な戦いの後に悲劇的な終焉を迎えます。
眼下に富岡港を臨む海山城。
全国有数の優秀な石工のふるさと・天草のお城らしい立派な石垣に惚れ惚れ。
二の丸石垣
発掘調査の際、島原・天草一揆当時の石垣が発見されたそうです。
本丸跡の「富岡城跡・熊本県富岡ビジターセンター」および長屋・東西角櫓跡の「苓北町歴史資料館(観光交流センター)」では、島原・天草一揆の歴史や、自然あふれる雲仙天草国立公園について学ぶことができます。
天草(富岡港)~長崎(茂木港)
さて、そうこうしているうちに、あっという間に帰る時間に。
(なにせ日帰りプチ旅なもので…)
帰路は島原半島を経由せずに長崎・茂木まで直行の高速船で戻ることにしました。
天草の富岡港から長崎の茂木港へは高速船で45分の船旅です。
PickUp
茂木港(長崎市郊外)に到着。
昭和後期の建物が個人的に萌えポイントです。
中では温かい「うどん」などの軽食や、茂木の新鮮な魚介類・野菜の販売も。
昔ながらの銭湯「小田湯」
茂木は昭和レトロな雰囲気が漂う小さな港町。
ちょっと冷えたので、昔ながらの銭湯「小田湯」でひとっ風呂浴びて、長崎市街地へ戻りました。
往路は国道389号を通り、島原半島の口之津から海を越えて天草へ。
復路は国道324号を天草(熊本県)から海を越えて茂木・長崎へ。
秋の日帰りプチ旅でした。
※2020年9月に取材したものです。
PickUp
天草みやげ「あか巻」
天草で見つけた「あか巻」という郷土菓子。
小豆あんをスポンジケーキで巻き、さらにそれを「赤い餅」で巻いた、何ともおめでたい雰囲気のお菓子です。
元々は漁師さんの体力消耗を補うための「船上食」で、赤い餅には大漁祈願の意味があるのだとか。
結婚式の引き出物に使われることもあるんですって。
カロリーが高そうでドキドキしますが、不思議な食感&素朴な美味しさでしたよ。