平戸スイーツの新ブランド「平戸百菓繚乱」が誕生
~松浦家伝来「百菓之図」をモチーフに~
こんにちは!ともっちです。
毎週金曜はグルメ&スイーツの日。
今日ご紹介するのは、2022年・春に誕生した平戸スイーツの新ブランド
「平戸百菓繚乱(ひらどひゃっかりょうらん)」
掲載日:2022年07月08日
ライター:GO!GO!ともっち
松浦家伝来「百菓之図」をモチーフに
本土最西端の平戸島は500年以上前から、長崎よりも先に、海外との交易窓口として栄えた城下町。
そこには東西から様々なものや文化がもたらされました。
砂糖もそのひとつ。
当時の平戸の菓子職人たちは、その貴重な砂糖をふんだんに使い、技術とアイデアを尽くした数多のお菓子を開発し、平戸藩主松浦候に献上します。
2022年・春に誕生した「平戸百菓繚乱」シリーズは、平戸藩伝来の100種類ものお菓子が掲載されたレシピ図鑑「百菓之図」をモチーフに開発。
そこに描かれているお菓子を、現代の平戸の菓子職人たちが現代風に復刻・ アレンジして創った、平戸スイーツの新ブランドです。
平戸商工会議所が市内5つのお菓子屋さんと連携して開発。
第1弾として、5品が発売されました。
パッケージは、朱地に金のイラストがあしらわれ、見た目にも華やか。
「お殿様への献上品」をイメージしているのだそうです。
お菓子を食べ終わったあとは何に使おうか…と、思いを巡らすのも楽しみのひとつ。
マグネットがついているので、ペンケースや眼鏡ケースなどにして、長く大切に使いたいクオリティの高さです。
以下、5つのスイーツ商品を、私の食レポとともにご紹介します。
月光(つきあかり)
日本に初めてお茶が伝来し茶畑が開かれた平戸は、松浦家伝来の武家茶道「鎮信流」が発展した土地でもあります。
茶畑を月光が照らしているようなこのお菓子は「百菓之図」に描かれている「つばきもち」から着想を得たもの。
良質で濃厚な抹茶の風味が絶品のスポンジ×ドライマンゴーの食感が印象的です。
台湾との交流の歴史をイメージしてマンゴーが使用されているのもポイント。
月光に見立てたホワイトチョコレートを纏い、輝く金箔が高級感を醸し出すお菓子です。
台湾茶やほうじ茶との相性が良さそうだと感じました。
津乃上製菓
住所:〒859-5117
長崎県平戸市魚の棚町300
電話:0950-22-3021
果の花(かのか)
「百菓之図」に描かれている「花かすてぃら」をモチーフにしたフィナンシェ風の洋風菓子。
文亀二年(1502)創業の老舗つたや總本家では、伝統的な「花かすてぃら」を製造販売する一方、それをモチーフにした新たな洋風菓子「果の花」を開発しました。
「果の花」は、袋を開けた瞬間から贅沢に香るバターとアーモンドの香り。口当たりはしっとり濃厚。
それでいて爽やかな風味の秘密は、平戸産の夏香ピールと台湾産ドライマンゴーが程よく効いているから。
一方、伝統的な「花かすてぃら」は「こしあん」をカステラ生地で包み、ほのかに桂皮末を香らせた、平戸や長崎で親しまれている南蛮菓子のひとつ。
2つを食べ比べてみましたが、
「果の花」は紅茶と「花かすてぃら」は緑茶との相性が良さそうだと感じました。
つたや總本家
住所:〒859-5113
長崎県平戸市木引田町431
電話:0950-23-8000
https://www.hirado-tsutaya.jp/
鈴虫の夢(すずむしのゆめ)
透明感あふれる彩りが美しいこちらのお菓子は、「源氏物語」の世界観をイメージしたもの。
平戸藩主の祖先は源氏と言われているので、源氏物語の主人公のモデルになったあの人物とも縁があるのかもしれませんね。6色のお菓子には、それぞれ源氏物語の登場人物の名前がついています。
「百菓之図」に描かれている「若紫」からインスピレーションを得て創られました。
外側のサラサラとした砂糖コーティングをパリッと齧(かじ)ると、中からフルーティに香る寒天ゼリーが舌を楽しませてくれます。
お抹茶(お薄)との相性が良さそう。
牛蒡餅本舗 熊屋
住所:〒850-5117
長崎県平戸市魚の棚町324
電話番号0950-22-2046
https://hirado-kumaya.jp/
陽の恵(ひのめぐみ)
濃厚なクリームチーズとバターの旨味がたまらないタルト。
インスピレーションを受けたのは、「百果之図」に描かれているポルトガル由来の南蛮菓子「けさちいな」。
洋酒に付け込んだドライマンゴーの甘酸っぱさとのバランスもよく、濃厚さの中にも爽やかさを感じる焼き菓子です。
タルト生地には平戸産小麦を使用。
深入りの珈琲との相性が良さそうだと感じました。
菓子工房えしろ
住所:〒859-5104
長崎県平戸市崎方町835-5
電話:0950-23-8237
http://www.eshiro-hirado.com/
四季(しき)
自他ともに認めるカヌレ好きの私ですが…これはテンション上がります!
見た目が映えるのはもちろん、香ばしくて、表面がほどよく固めで、中のモチモチ具合も絶妙。
大航海時代にポルトガルから渡ってきた「カラメロ」を復刻した特製キャラメルをベースに、「百菓之図」に描かれている平戸菓子「かごぼうる」を現代に生まれ変わらせた逸品とのこと。
5種類のカヌレは、春は苺、秋は栗など、それぞれ平戸の四季の美しさを表現しています。
紅茶との相性がよさそうだと感じました。
Firando
住所:〒859-5522
長崎県平戸市津吉町310-2
電話:0950-27-1701
https://firando-caramel.com/
ここでも買えます!
…そして
平戸オランダ商館では5つの菓子店のものを一同に全て取り扱っています。
平戸オランダ商館
住所:〒859-5102
長崎県平戸市大久保町2477番地
電話: 0950-26-0636
https://www.nagasaki-tabinet.com/guide/51701
現代の平戸の菓子職人たちが手がける「平戸百菓繚乱」シリーズ。
自分へのご褒美に、大切な方への贈り物に、選んでみてはいかがでしょうか。
PickUp
この記事を書いた人
2005年から続く長崎県公式観光ブログ「GO!GO!ともっち」の3代目ブロガー。
県内をくまなく取材し、地元ならではの「旬」で「通」な観光情報を発信しています。
趣味は「旅」と「猫」と「路地裏散策」。
長崎市出身の所謂「じげもん」で、眼鏡橋付近で遊んで育ちました。
学生時代の専攻は日本史。博物館学芸員資格あり。