旧小浜鉄道の廃線跡をゆく(後編)
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小浜温泉三部作 最終回。
旧小浜鉄道の廃線跡を辿る旅、後編です。
(⇒前編はこちら)
掲載日:2020年12月10日
ライター:GO!GO!ともっち
②「富津駅」跡
眼下に雰囲気の良い小さな集落が見えたので、ちょっと寄り道して降りてみることに。
ちょっと寄り道 昭和レトロな漁村「富津集落」
たどり着いた先は、昭和の時代にタイムスリップしたような趣のある漁村集落でした。
橘湾に抱かれた穏やかな入江には、小舟が浮かんでいます。
集落の中心にあるのは、弘法大師伝説が残る六角井戸。
海から20メートルしか離れていないのに、地下水(淡水)が得られる貴重な水源は、古くから集落の人々に大切に守られてきたそうです。
急斜面の山肌に張り付く家々を立体的に結ぶ細い路地。
遠い昔に訪れたことがあるような、不思議で心地よい感覚。
偶然見た風景に誘われるように集落に降りたのですが、訪れて本当に良かった。
そう思える集落でした。
集落には立派な石垣が多く、かつての繁栄が偲ばれます。
富津集落を後にし、再び廃線跡を辿ります。
木々がトンネルのように両側から生い茂る 通称「緑のトンネル」を木津の浜方面へ。
③「木津の浜駅」跡
コンクリートの縁石がこのあたりだけ残っています。
当時のものなのでしょうか。
バス停や小店を発見しましたが、現在は使われていないようです。
昭和レトロな映画に出てきそうな雰囲気。
このあたりの風景も、とても素敵です。
陽が静かに影っていきます。
④「上千々岩駅」跡
この駅だけ、立派な岩の上にモニュメントが建てられています。
(駅の名称の通り、石材の産地なのでしょうか)
岩には鉄道の思い出の詩が刻まれていました。
「幼かった頃 ふるさとの歴史を刻んで ここに鉄道が走っていた 懐かしい往時を偲んで」
周辺は地元の有志によって花壇なども整備され、小さな公園のようになっています。
モニュメントの手前に数個残る四角いコンクリートの縁石は、かつての駅にあったものなのでしょうか。
(ご存知の方がいらっしゃったら教えてください)
そういえば、このあたりの地名である「ちぢわ」は「千々石」と表記しますが、この駅は「上千々岩駅」だったようですね。
お隣の「千々石駅」は「石」という字なのですが…少し気になりますね。
(こちらについても理由をご存知の方がいらっしゃったら教えていただけると嬉しいです)
⑤「千々石駅」跡
千々石展望台の下あたり。
海のすぐ側を鉄道が走っていたんですね。
ここからは国道に出て北上。
ちょっと寄り道 千々石展望台で名物「じゃがちゃん」をがぶり
千々石観光センターに立ち寄り、名物の「じゃがちゃん」をかじりながら、ちょっとひと休み。
橘湾の向こうには、雲仙普賢岳。小浜温泉方面の美しい景色を見渡すことができます。
⑥愛野村駅
濱、水晶観音、愛津駅跡を通過し、旧温泉軽便鉄道の終着駅「愛野村駅」の跡地に到着。
この愛野村駅跡、全体を見てみると・・・
実はここは現在も使われている島原鉄道の愛野駅。
かつてはこの駅から温泉軽便鉄道に乗り換えていたのですね。
PickUp
島原鉄道 愛野駅
その地名から「愛の聖地」ともなっている愛野駅。
教会風のメルヘンチックな駅舎は愛をイメージした公募デザインにより塗り替えられたもの。
駅前には恋人たちのためのベンチやピンク色にペイントされた島鉄バスのバス停などがあり、インスタグラム用の写真撮影スポットとしても人気があります。
今回私は、愛野駅から島原鉄道に乗車し、諫早駅でJRに乗り換え、長崎へ戻りました。
小浜温泉から愛野までの鉄道廃線跡。
大正~昭和にかけての温泉情緒に思いを馳せながら、ドライブしてみてはいかがでしょうか。
タイミングが合えば、橘湾に沈む夕日も一緒に楽しめるとベスト!
また、今回は車で辿りましたが、全体的に車が少ないルートなので、自転車で景色を楽しみながら走るのも気持ち良いかもしれません。
- 参考文献:「小浜町史談」昭和53年 小浜町発行
PickUp
長崎県の「半島」特集-ながさきの『サキ』へ→
長崎の先端。長く突き出した岬。その岬に位置する長崎県の4つの半島。
長崎の〝先”には、歴史とロマンがある。雄大な自然に美味しい食。季節の花が、咲きほこる。―――新しい発見が待っている。