平戸・エビス亭で味わう 新ご当地グルメ「平戸ジビエ南蛮カレー」
こんにちは!ともっちです。
毎週金曜はグルメの日。
今回ご紹介するのは、この春 平戸市に誕生した「平戸いのしし」を使った新たなご当地グルメ「平戸ジビエ南蛮カレー」。
市内4つのお店で、それぞれ嗜好を凝らしたジビエカレーを楽しむことができます(ジビエ=野生鳥獣の肉)。
掲載日:2022年06月24日
ライター:GO!GO!ともっち
地元産のイノシシ肉を使った新しいご当地グルメを開発した長崎県 平戸市は、大航海時代、長崎よりも先に西洋との貿易窓口として賑わった、エキゾチックな城下町。
江戸時代の記録にもイノシシが食べられていたという記載があるのだそうですよ。
周囲をぐるりと海に囲まれた平戸島(現在は橋で本土と繋がっていますが)は、魚の美味しい町として有名ですが、今注目されているのはイノシシ。
平戸のイノシシは、ドングリなどの「山の幸」はもちろん、海が身近にあるため、海岸にも降りてミネラルたっぷりの海藻などの「海の幸」を食べ、栄養バランスの良い食生活をしているのが特徴。
自然の中を駆け回り暮らしているので、牛や豚よりも身が締まっていてヘルシーなのです。
今回ご紹介するのはその中のひとつ「エビス亭」です。
平戸の中心部から車で10分ほど。
川内峠に向かう途中、木立に抱かれるように佇む大人の隠れ家です。
「平戸のジビエはAクラスだと思う」
オーナーの南沢 茂さんは、調理歴55年のベテラン料理人。
関西で人気料理店を経営していましたが、約18年前、まるで「天然のいけす」のような平戸の海の幸にひかれて移住。
南沢さんが手がける平戸の食の魅力を最大限に活かした料理を求め、全国の食通が訪れる名店です。
「平戸いのしし」と出逢いは2017年。
以来、素材の良さに惚れ込み、コース料理の一品として提供しています。
「はじめは正直、(猪肉を)使うのは抵抗があった」という南沢さん。
ジビエを調理するのは、初めてではありませんでした。
大阪で料理人をしていた約50年前にジビエを扱う販売店で猪肉を購入し使ってみたものの、そのときには独特のニオイが気になり、一度使っただけで、それ以降、料理に用いることはなかったそうです。
時は流れて2017年。
平戸に移住して飲食店を経営する南沢さんに「使ってみませんか?」と平戸いのしし肉のサンプルを持ってきたのは「平戸ファクトリー」。
2017年 平戸市に開設された、ジビエの食肉処理から製品加工までを行う総合加工センターです。
食肉専門の職人が、個体にストレスをかけず手早く適切な方法で衛生的に処理・加工するのが特徴。
南沢さんは50年前の経験から「はやり猪肉だからクセが強いんだろう」と思いましたが、平戸ファクトリーから貰ったサンプルの猪肉を食べてみると全く匂いが気にならならず、「衛生的で新鮮だからやろか?こりゃ良い!!」と目から鱗だったといいます。
一方で、平戸の食材といえば新鮮な海の幸をはじめ、平戸牛、豚が有名。
「猪が受け入れられるのは難しいかもしれない…」と思いましたが、持ち前のチャレンジ精神で挑戦してみることに。
ステーキ、ハンバーグ、角煮などいろいろな料理法を試した南沢さんがたどり着いた、平戸いのししの美味しい食べ方。
それはシンプルに「しゃぶしゃぶ」でいただくこと。
カレーしゃぶしゃぶ & カレー漬け(平戸ジビエ南蛮カレー)
エビス亭では、超A級の平戸いのししの薄切り肉を「カレーしゃぶしゃぶ」でいただくことができます。
(コース料理の1品として提供)
脂の透明感!余韻が残る旨みと甘み!
グツグツと煮立ったカレー出汁に平戸いのししの薄切り肉を入れると、脂がジュワーっと溶けて、たまらなく美味しそうな香りが!!
この透明感!この旨み!凄いです!!
噛むとじんわりと甘みを感じる上質なお肉。
脂は口の中で心地よくトロけ、しばらくの間、脳裏に旨みの余韻が残るような…。
想像していた以上に「重たさ」も「クセ」もなく、上品なお肉でした。
三浦按針ゆかりのサツマイモなど7種の具材
大航海時代に平戸で行われていた海外貿易の史実をモチーフにした「平戸南蛮ジビエカレー」は、彩りを添える具材にもこだわりが。
江戸時代のはじめに平戸に来たイギリス人 三浦按針(ウィリアム・アダムス)が伝えた「サツマイモ」、平戸オランダ商館長リチャード・コックスが伝え平戸の伝統野菜になった「山野人参」といった平戸の旬野菜など7種の具材と一緒に、歴史に思いを馳せながら、ジビエカレーを楽しみましょう。
隠し味は八丁味噌
カレー出汁からただよう和の香りの正体は「八丁味噌」。
平戸の海外貿易を許可しイギリス人 三浦按針(ウィリアム・アダムス)を重用した徳川家康の出身地であり、南沢さん自身の故郷でもある愛知県の三河地方 岡崎に伝わる、赤いコクのある味噌です。
「カレーと味噌という個性の強い食材を合わせる工夫に苦労した」とのことですが、いやはやベストバランス!まさにカレーと味噌の良いとこ取り。
スープだけ何度も小皿に取って味わいたくなるほど、後を引く美味しさです。
小皿にカレー出汁を少し入れて、それに具材をつけながらいただきます。
仕上げは具材の旨味をたっぷり吸ったカレー出汁にご飯を入れて、余すところなく味わうのがおススメ。
木立に囲まれた、鳥のさえずりが聞こえる一軒家。
店内は40席。
囲炉裏料理 エビス亭
〒859-5153 長崎県平戸市戸石川町新杉山7-3
電話:0950-23-3244
営業時間:ランチ11:30~14:00 ディナー17:30~21:30(LO 21:00)
定休日:火曜 席数:40席 駐車場:20台
アクセス:松浦鉄道たびら平戸口駅より車で約11分
※前日14:00までに要予約
※コース料理(4,400円・5,500円)の一品として提供。お時間に余裕を持ってゆっくりお楽しみください。
公式HP https://hirado-ebisutei.com/
PickUp
平戸市の新・ご当地グルメ【平戸ジビエ南蛮カレー】
大航海時代に平戸で行われていた西洋との貿易をモチーフにし、2022年春に誕生した新・ご当地グルメ。
平戸の大自然で育ったヘルシーなイノシシ肉を使ったオリジナルのカレーメニューを、市内4つのお店で楽しむことができます。
イノシシ肉特有のクセが少ないので、ジビエ初心者や女性にもおすすめ。
4店舗すべて取材してきたので、1店舗ずつこのブログでご紹介していきます。
PickUp
この記事を書いた人
【ともっち】
2005年から続く長崎県公式観光ブログ「GO!GO!ともっち」の3代目ブロガー。
県内をくまなく取材し、地元ならではの「旬」で「通」な観光情報を発信しています。
趣味は「旅」と「猫」と「路地裏散策」。
長崎市出身の所謂「じげもん」で、眼鏡橋付近で遊んで育ちました。
学生時代の専攻は日本史。博物館学芸員資格あり。