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日比谷公園 日比谷松本楼

日比谷公園 日比谷松本楼-1


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. 東京出張中、東京にある「長崎ゆかりのスポット」を2つ巡ってきました。
(後編はこちら)

まず向かったのは日比谷公園。
明治36年(1903)皇居の南側に完成した「日本最古の近代的な洋風公園」です。
園内はシンボルである大噴水や、四季折々の洋花が植えられた花壇、池などがあり、都会のオアシスとなっています。
(ちなみに日本最古の公園噴水は、長崎市の諏訪神社(長崎公園)にある明治11年(1878)頃に作られたものといわれています。)

日比谷公園の中には、長崎とゆかりの深い「美味しいお店」があるんですって。

 

創業117年の老舗レストラン 日比谷松本楼

大噴水の西側、木立の向こうに見える白い三階建ての洋風建築。
こちらが今回の目的地、長崎とゆかりの深い老舗洋食レストラン「日比谷松本楼」です。

中国の革命家・孫文を物心両面で支え、また日活の創業者のひとりでもある長崎出身の実業家 梅屋庄吉のご子孫が経営するレストランで、現在は庄吉の曾孫にあたる小坂文乃氏が代表取締役を務めていらっしゃいます。

 

3密を避けた緑豊かなテラス席で、小坂社長にお話を伺いました。

松本楼は、明治36年(1903)日比谷公園の完成と同時にオープン。
日比谷公園は日本最古の近代的洋風公園で、「市民が気軽に西洋文化に触れる場所」として造られたのだそうです。

公園造成時のコンセプトは、「洋花」「洋楽」「洋食」の3つが楽しめる場所。
松本楼は3つ目のコンセプトである「洋食が楽しめる場所」として園内に誕生しました。

孫文や梅屋庄吉らが足しげく訪れ、文人たちにも愛された松本楼。
夏目漱石の「野分」では日比谷松本楼の「血の滴るようなステーキ」が、
また高村光太郎の「智恵子抄」では同店のアイスクリームのシーンが描かれています。
 

名物ハイカラビーフカレー

昔から、松本楼の定番人気メニューといえばビーフカレー。
大きな牛肉がふんだんに入った肉の旨みたっぷりのルーは、まろやかでコクがあり、誰にでも愛される懐かしい味です。

かつて、ハイカラ好きの「モボ(モダンボーイ)」や「モガ(モダンガール)」の間では、「松本楼でカレーを食べて珈琲を飲む」ことが大流行したのだとか。

大正時代のメニュー表にも掲載されています。
 

PickUp

10円カレーチャリティーセール

毎年9月25日は松本楼名物「10円カレー」の日。
昭和46年秋、放火により炎上消失した二代目松本楼は、全国からの支援を受けて昭和48年9月25日に新装再オープン。
その際、支援への感謝の意を込めて来店者へ10円でカレーを提供するイベントを実施しました。
それ以来、「10円カレーチャリティーセール」は現在に至るまで毎年同日に続けられており、日比谷公園の秋の風物詩になっています。
イベントで集まった寄付金は全額ユニセフなどに寄贈されているそうです。
(2020年は新型コロナウイルスの影響で中止)

貴重な古写真を見せていただきました

貴重な古写真を見せていただきました。
こちらの2枚は明治36年(1903)に完成した初代の松本楼。
(スクロールしてご覧ください)

明治から大正にかけての激動の時代、日比谷公園は日露戦争大祝捷会が行われるなど、政治の主要な舞台となっていきました。
1枚目の写真は、大正2年の政治集会に集まった市民に対し、松本楼のバルコニーから憲政擁護の演説が行われているシーンです。
 

こちらは、関東大震災後に再建された二代目の建物。

こちらは 現在使用されている三代目の建物。

昔ながらのハイカラ料理はもちろん、
壱岐牛や壱岐焼酎、長崎フェアの際は佐世保名物のレモンステーキや五島うどんなどを楽しむことのできる同店は、在京の長崎県出身者が訪れることも多く、本県出身者が集まるイベント会場として使われることもあるのだとか。

明治・大正・昭和にかけて、
長崎から世界に羽ばたいた実業家 梅屋庄吉のご子孫が営むレストラン「日比谷松本楼」。
東京で、長崎に出逢った嬉しいひとときでした。


◆日比谷松本楼 本店

〒100-0012 東京都千代田区日比谷公園1-2
TEL: 03-3503-1451

 

長崎市旧香港上海銀行長崎支店記念館 
日本近代交流史と孫文・梅屋庄吉ミュージアム

こちらは長崎市にある旧香港上海銀行長崎支店記念館です。
現在「日本近代交流史と孫文・梅屋庄吉ミュージアム」として活用されているこの建物は、東京で日比谷松本楼が開業した翌年の明治37年(1904)に建てられた、長崎市最大の石造り洋館です。

 

毎年11月は孫文・梅屋庄吉友情月間

同館では毎年、孫文と梅屋庄吉の生誕日などの記念日が集中する11月の一ヶ月間を友情月間とし、長崎県民の入館を無料にするほか、特別展示やクイズラリー、中国切り絵体験、先着10名様への粗品進呈など、楽しいイベントを多数実施しています。
今年も開催中。ぜひおでかけください。
 

◆長崎市旧香港上海銀行長崎支店記念館
日本近代交流史と孫文・梅屋庄吉ミュージアム


〒850-0921 長崎市松が枝町4-27
TEL: 095-827-8746

 

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