三川内焼 窯元めぐりと まちあるき (後編)
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掲載日:2021年05月18日
ライター:GO!GO!ともっち
(2019年2月ほかの取材を元に執筆しました)
かつて平戸藩の御用窯として皇室や将軍家への献上品ともなっていた三川内焼(みかわちやき)。
精巧かつ繊細で透き通るような純白の磁器とそれに映える上品な藍色(呉須・コバルト)の染付は、ヨーロッパの王侯貴族をも魅了したのだとか。
その高度な製作技術は、開窯から400年以上が経過した現代もなお、各窯元に代々「一子相伝」で受け継がれています。
佐世保市三川内町は、ハウステンボスや佐世保駅から車で20分ほどの距離にある、三川内焼の里。
風情あるまちなみを散策しながら、3軒の窯元を訪ねる旅、後編です。
※三川内焼は、2016年(平成28年)「日本磁器のふるさと肥前 ~百花繚乱のやきもの散歩~」として波佐見焼・有田焼など共に「日本遺産」に認定されました。
平戸洸祥団右ヱ門窯
次にお邪魔した窯元は「平戸菊花飾細工(佐世保市指定無形文化財)」など精巧かつ繊細な細工を得意とする平戸洸祥団右ヱ門窯。
三川内焼の陶祖のひとりである「高麗媼(こうらいばば・中里エイ)」を祖先とする由緒正しき窯元のひとつで、現在は18代目の当主が伝統を守り続けています。
先端を尖らせた竹ベラで磁土の塊から菊の花弁を一枚一枚切り出す職人技を目の前で実演していただいたのですが、その超人技にただただ見惚れ、思わず息をするのを忘れてしまうほどでした。
菊花飾細工は江戸時代後期から明治期にかけて高度に発達した、三川内焼の伝統的な装飾技法のひとつだそうです。
トンバイ塀と馬車道
やきものの里ならではの風景に出会いました。
トンバイとは、窯の壁に使用する耐火レンガのこと。
皿山地区には、トンバイを塀に再利用した「トンバイ塀」がところどころに残っています。
足元がデコボコしている道は「馬車道」。
昭和30年頃まで、このあたりでは出来上がった焼き物や材料などを積んだ荷車を馬が引いていたそうです。
足元のデコボコは、馬の蹄が滑らないための工夫なのだとか。
嘉泉窯
最後にお邪魔したのは、安土桃山時代 初代 金氏太右エ門に始まる由緒正しき窯元のひとつ「嘉泉窯」。
現在は15代目の当主が伝統を守り続けつつも、オリジナルブランドの開発や、スターバックス、ハローキティ(サンリオ)といった、若い世代に人気の企業とコラボするなど、新しい目線で日常使いの三川内焼の普及にも取り組まれています。
スターバックス JIMOTO madeシリーズの一環として作られたコーヒー碗。
佐世保四ヶ町店、させぼ五番街で発売中です。
ハロー・キティ35周年伝統産業コラボ企画として作られたもの(ポット/タンブラー大・小)で
長崎県を通じて天皇家の愛子さまに献上されたそうです!!
ポットに描かれた唐子絵のキティちゃんが特に可愛い!!
平戸瓦
嘉泉窯の2階から見える、どこか懐かしい風景。
正面の屋根に使われているのは「平戸瓦」。
瓦向きが普通のものとは逆で右伏せ(右側が閉じている)になっている珍しい瓦で、昭和初期頃までは旧平戸藩内で一般的に使用されていたのだとか。
三川内山では、現在も窯元の建物など数軒の屋根で見ることができます。
さいごに
三川内の皿山は、伝統を今に伝える窯元をはじめ、代官所跡、陶祖たちのお墓、彼らを祀る神社など、開窯以来400年の歴史を感じることのできるスポットが数多く残っているので、歴史に思いを馳せながらの散策が楽しいエリア。
そして窯元の方に直接お話しを伺いながらの器選びは、産地ならではの楽しみです。
「みかわち焼オフィシャルサイト」
三川内焼についての詳しい情報、散策マップ、窯元紹介などはこちら
(2019年2月ほかの取材を元に執筆しました)
【参考資料】
広報させぼ(2018年2月号/佐世保市)
みかわち焼 窯場・窯元歩き公式ガイド/散策ガイド(2018年2月/佐世保市)
PickUp
公衆トイレの案内タイル
観光まちあるきに、トイレは重要ポイントです。
こちらは集落の中心部、三川内山公園前にある公衆トイレの案内タイル。
代表的な三川内焼の絵柄である唐子の絵がキュートです!!
トイレ自体も清潔で快適でしたよ。